研究概要 |
25年度は本研究の最終年として以下研究活動を行った。 25年6月には、新羅大学(大韓民国・釜山)で開催された第5回日韓ブリテン史学会において、'Foreign workers or Minority Youth? ―― Employment Policy of the British Government in late 1970s and the early 1980s'と題した報告を行った。これまでの研究の成果であり、1970,80年代における外国人労働者導入政策と、エスニック・マイノリティ第2世代の状況を関連づけて論じた。政策については、23.24年度に収集した資料、第2世代については、1983年のLabour Force Surveyを利用した。報告時間が限られており、十分に議論を展開することができなかった。学会では有益な情報、コメントを得ることができた。これらを含めて、不十分だった点を補って、英文論文を執筆中であり、26年秋までに投稿する。 これまでの研究において、特に若年者が雇用されている低賃金労働について検討してきたが、その一つに、飲食業(Catering industry)がある。この産業において、1950年代から外国人労働者を導入する一方、特に南アジア諸地域や中国からの移民がエスニック・レストラン等を経営し、それが梃子となり連鎖移民が行われた。その一方、ツーリズムの発展や、イギリス、特にロンドンのグローバル経済化に伴い、飲食業を含めた対人サービス業の雇用者比率が増加する中で、同産業の労働者不足が問題が現在でも深刻な問題となっている。このような現代的な課題を受け、26年9月に学習院大学において行われるシンポジウム 'Who is cooking and who is waiting for you when you eating out in Britain? :Eating out cultures and low-paid foreign workers 'にというタイトル(仮題)に報告を行う予定である(26年4月上旬に報告決定済み)。 26年2,3月には上記にかんする新しい資料および、これまでの出張で収集できなかった資料収集のためにイギリスに出張した。
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