研究課題/領域番号 |
23530426
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
桑原 哲也 福山大学, 経済学部, 教授 (20103723)
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キーワード | 多国籍化学企業 / 多国籍企業の対日投資 / 技術優位 / 日本企業のキャッチアップ / 合弁パートナー / 原料調達の安定 / 比較分析 / 外資政策 |
研究概要 |
平成23年度、24年度の研究を通じて、つぎが明らかになった。戦後の多国籍企業の対日進出は3時期に時代区分できる。第1の時期、1950年代^1960年代末・・・拡大する日本市場へ向けて、新製品を導入し、技術優位によって比較的容易に地位を確立できた。第2、1960年代末から1980年代半ばにかけて、日本企業のキャッチアップがあり、競争激化の中で、マーケテイング能力の重要性が高まった。マーケテイング問題を中心に、多国籍企業は日本側の合弁パートナーとのコンフリクトが深まった。第3の時期。多国籍企業は日本をアジア市場の一部として位置づけるようになり、投資の比重を中国、東南アジアに高めていった。 こうした時代区分を基礎に、次の解明が重要であることが明らかになった。第1、日本市場への参入における、化学素材を作るような生産財企業は、消費財企業とどのように異なるのかを明らかにする点。第2、日本側合弁パートナーとの関係つくりが、日本における成否を大きく左右したことの実証。第3、データベースの問題であるが、在日子会社の経営資料をデータベース化する。今年度の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
次を、順調に進めることができなかった。1、対日進出してきた多国籍企業、および日本側合弁パートナーの有価証券報告書。2、専門雑誌『化学経済』などの文献資料の読み込みの不足。3、当事者インタビューの不足、在日子会社のデータベースつくり。
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今後の研究の推進方策 |
見込み額と、執行額は異なったが、研究計画は変更なく、前年度の研究費も含め、当初通りの計画を進めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該助成金が生じた状況は、以下のごとくである。病気で入院、手術とその後の治療で、科学研究費の目的を推進することができなかった。特に、国内外における調査を推進することができなかった。 平成25年度は、当該年度の支給額90万円を含めた額を用いて、国内での調査を中心に次を、進める計画である。多国籍企業の在日現地法人の経営を経験した日本人,および日本の子会社へ駐在し日本在住の外国人にインタビューを行う。それを録音し、文字化する。分析概念として、生産財企業のマーケテイングについての、理論的研究を行う。また、多国籍企業の在日子会社の、経営に関するデータベースを作成する。
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