研究課題/領域番号 |
23530429
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
小川 美香子 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 助教 (60456308)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | モバイルIT / 消費者調査 / 日米比較 / コミュニケーション / 食品産業 / 食品安全 |
研究概要 |
本研究の目的は、日米の食品産業を中心に、企業によるモバイルITの活用実態を明らかにし、消費者との関係性構築における可能性について考察することである。「研究実施計画」では、平成23年度は、食品産業を対象に、オンラインショッピングや食品安全を担保する情報提供などのサービスの現状について、1.文献調査、と2.日米の企業インタビューを行う計画であった。 実績としては、1.文献調査については、モバイル端末のなかでも、2011年は日本において急速なスマートフォンの普及と、twitterやFacebook等SNSの普及、および、企業によるSNS活用が注目されたため、濱野智史(2008)『アーキテクチャの生態系―情報環境はいかに設計されてきたか』をはじめとする文献を収集し読んだ。 2.日米の企業インタビューは、日米で事業を展開する食品企業の実態調査を行ったうえで調査対象候補を選定すべきであるとの判断から、平成24年度以降に延期した。 「研究実施計画」以外になるが、追加して実施した研究として、おもに次の3点実績として記す。(1)食物アレルギー患者家族を対象に、モバイル端末を用いて外食店で食材情報を提供する効果を検証した小川ら(2010)の日本語論文を再編し、International Journal of E-Business Research (IJEBR).に投稿し2012年2月に採択された。(2)日米の学生を対象に、オンラインショッピングの利用意識調査を行い論文を執筆、IJEBRに投稿した。H24年3月に条件付き採択通知を受領し、H24年6月までに再提出予定である。(3)日米で事業を展開する食品企業の実態調査を行った。なお、(1) (2)は米国ケネソー州立大学のD.アモロソ教授と連携して行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実施計画」でH23年度に予定した計画2点のうち、1.は実施済みである。2.日米の企業インタビューは来年度以降に延期したものの、当初計画にはなかった研究として、概要で記したとおり、英語での論文執筆を2本、および、日米の食品産業のSNS利用実態調査を実施した。執筆した論文は、すでに2本ともInternational Journal of E-Business Researchに投稿し、うち1本はすでに採択が決定した。もう1本も条件付きで採択され、H24年6月までに再提出予定である。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には当初提出した「研究実施計画」に沿って、今後も調査を進める予定である。 H23年度に研究を推進する過程で、スマートフォンの急激な普及に伴い、twitter、Facebook等のSNSが、今後の0企業と消費者とのコミュニケーションで大きな役割を果たす可能性があることが注目されるであろうことが予測された。そのため、今後は、SNSを中心にモバイルITの活用を日米で比較することを検討したい。「研究実施計画」でH23年度に予定した計画2点のうち、H24年度以降に延期した2.日米の企業インタビューを、H24年度に実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
統計処理ソフトPASWと今日分散構造分析ソフトAMOSの最新版を購入する。PASWは、申請時の使用計画でSPSSと記したソフトと同じソフトである。AMOSは、申請時の使用計画には含まれていなかったものの、H23年度に日米の学生を対象に実施した調査結果を分析する際にD.アモロソ教授が使用したソフトであるため、H24年度には、当方でも購入し、分析を実施できる環境を整える必要があると考えた。 日米の企業を対象に行うインタビュー調査の旅費として、国内、米国での旅費を計上した。米国で開催されるSNS関連の研究学会のタイミングにあわせて、米国での企業インタビューを企画する予定である。 また、申請時の使用計画には含まれていなかったが、ノートパソコンを1台購入したい。文献調査資料の整理とインタビュー調査の分析補助で、短期雇用する大学院生に使用させるために必要である。短期雇用に伴い謝金を使用する。
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