研究課題/領域番号 |
23530431
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
齋藤 達弘 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (80303105)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 経営財務 / 銀行論 / 株式公開 / 地方企業 / 地方銀行 |
研究概要 |
本研究は,地方に本社を置く株式公開企業が上場に至る過程において,地方銀行がその企業に対してどのような役割を果たしているかを,企業の視点(資金調達,人材支援,情報提供など)から解明することを目的する.この研究では,企業が上場に至る成長段階に焦点を当てて,地方企業と地方銀行のメインバンク関係を明らかにしたいと考える. 平成23年度は,データの収集と整備を進めながら,一つの事例研究(ブルボン)を発表し,二つの事例研究に着手した. 一つ目は,中小企業にエクイティ・ファイナンスを広げようとしたグリーンシート(未公開株の気配公表銘柄制度)に着目し,その銘柄の一つであるシーキューブについて調査した. 二つ目は,視点を変えて,地域経済に影響を与えるであろうと考えた,株式公開の反対にあたる株式非公開(三條機械製作所)について調査した. これらの調査をつぎの3本の新潟大学経済学会ワーキング・ペーパー(すべて単著)で報告している:「グリーンシートとディー・ブレイン証券」No. 146,「株式会社シーキューブの財務政策」No. 147,「三條機械のMBOから学ぶコーポレート・ファイナンス」No. 150.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
東日本大震災や欧州金融危機により,経済状況が悪化し,株式市場は下落した.その影響により,新規株式公開(IPO)は低迷し続け,サンプルの収集とサンプル・サイズの拡大が難しかった.
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今後の研究の推進方策 |
今後も,引き続き,予定していた分析に必要なデータの収集と整備を進める.しかし,新規株式公開(IPO)は,復調の兆しはあるものの,依然として低迷し続ける可能性がある.そこで,当初研究実施計画よりも,事例研究に重点を置きながら進めることにする.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は,事例研究に重点を置き,研究代表者の問題意識に現実的な妥当性があるかどうかをチェックするために,企業や銀行への聴き取り調査を実施しようと考えている.次年度の研究費はそのために使用する計画である.
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