研究課題/領域番号 |
23530433
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
松尾 睦 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (20268593)
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キーワード | 学習リーダーシップ / 内省 / 目標明確化 / 経験学習 / 小売店長 |
研究概要 |
平成24年度は、日本の大手・中堅企業12社における課長・部長の学習およびリーダーシップに関する質問紙調査を実施し、定性的には、育て上手の管理職に対するインタビュー調査を実施した。これに加え、大規模小売企業の店長に対する質問紙調査の質問票を作成した。具体的には以下のとおりである。 第1に、日本の大手・中堅企業12社における課長・部長524名に対して、どのような経験からどのような能力(リーダーシップ能力)を得たかについて分析したところ、「部門を超えた連携」「変革への参加」「部下育成」という経験から、「情報分析力」「目標共有力」「事業実行力」という(リーダーシップ)能力を得ていることが明らかになった。また、こうした経験学習に経路依存性があること、学習志向性がマネジャーの「連携」と「変革」の経験を促すことが明らかになった。 第2に、さまざまな分野において、部下を育成することに関して定評のあるマネジャー7名に対してインタビュー調査を実施した。インタビューでは、指導に困難を感じた若手社員を想起してもらい、その社員をいかに育成したかについて聞き取りを行った。その内容を基にショートケースを作成したが、現在分析中である。 第3に、平成23年度に実施した小売店長のリーダーシップに関する調査結果を基に、他の大規模小売企業を対象に実施予定の質問紙調査で用いる質問票を作成した。想定している次元は、店舗目標の明確化、直接指導、仕事の内省促進、競合店舗の視察促進等である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
職場学習を促すリーダーシップ行動を明らかにするという研究目的に沿って、定量的、定性的研究を実施することができた。また、経験学習の観点からも学習型リーダーシップのメカニズムを検討することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に実施した小売店長調査を再検証するために、他の大規模小売店長に対する調査を企画中である。また平成25年度は、平成24年度に実施した育て上手のマネジャーに対する定性的研究を進めるとともに、深く分析を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
育て上手のマネジャーに対するインタビュー調査を実施するために、旅費およびテープ起こし委託費が発生する予定である。
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