本研究の目的は、親会社がなぜ子会社を対象としたダイベスティチャー(事業の切離し)を実施するのかについて、日本企業を対象とした実証分析を行うことであった。本研究では、子会社を対象とした様々なダイベスティチャーのなかでも、子会社MBO、子会社上場、共同出資会社(JV)の3つに焦点を当て、これらがなぜ実施されるのか、その実施が親会社の株主価値の増大に寄与するのか否か、について実証分析を行った。 分析の結果、これら3つそれ自体が親会社の株主価値を増大させるのではなく、これらに付随して規模縮小や負債の削減などが実施される場合に株主価値が高まることが明らかとなった。
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