研究課題/領域番号 |
23530443
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研究機関 | 文教大学 |
研究代表者 |
幸田 達郎 文教大学, 人間科学部, 准教授 (30468368)
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研究分担者 |
丹沢 安治 中央大学, 総合政策学部, 教授 (00146953)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 擦り合わせ / リーダーシップ / 新制度派経済学 |
研究概要 |
本年度は研究目的「1.擦り合わせが有効に行われる際の現場における詳細な条件」のwebによる質問紙調査を実施した。サンプル数は1400であり、業種についてもバランスのとれたものとなった。また、年齢構成も就労人口の年齢構成に近いものになった。組織間の擦り合わせについて明確化するためのデータが得られた。特に、リーダーシップ理論や新・制度派経済学理論で行われる分類枠組を使用し、組織境界における擦り合わせの際の協力の状態に関する実証分析を行うためのデータを得ることができた。また、採用した理論的な枠組の普遍的妥当性を担保するために、上司部下間の協力のレベルに対して影響する要因を同様に分析・対比するためのデータが得られた。本年度に行った調査が本研究全体の骨組になる。インタビュー部分については、昨年度末の東日本大震災の影響が大きく、企業間取引についてインタビューを行う際に、深層に踏み込もうとして具体的・詳細な取引先との関連のエピソードを聞き出そうとすると、その都度、重大事項の説明として震災関連のエピソードが出現した。そのため、本年度に行うBEIインタビューについては震災からの影響が大きいと考えられたので、BEIインタビューについては予備調査の段階で中断し、来年度以降に本格実施を行うこととした。インタビューの予備的部分ついては、文教大学湘南総合研究所紀要「湘南フォーラム 第16号」pp. 157-173にて『神南地区に於ける異質な人材の投入による職場風土の変質』という表題のもとに公表し、「本研究は科研費・基盤研究(C)(一般)23530443 の助成を受けた研究の一部を構成するものである。」ことを明記した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アンケート調査の実施については本年度期待以上の成果を得たが、前述のようにインタビュー部分については、昨年度末の東日本大震災の影響が大きく、企業間取引についてインタビューを行う際に、深層に踏み込もうとすると、その都度、震災関連の話題に発展し、震災からの影響が大きいと考えられたので、BEIインタビューについては予備調査の段階で中断し、来年度以降に本格実施を行うこととした。そのため、インタビューについては遅れが生じている。他は順調に推移している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に収集したアンケート調査の結果の詳細な分析を行う。また、インタビュー調査を中心に行う。3つの研究目的のうち、「1.擦り合わせが有効に行われる際の現場における詳細な条件」の解明を来年度前半(9月まで)に行い、後半(10月から)は「2.担当当事者に必要とされる人的要件」の解明にとりかかる。(「3.育児経験者の現場復帰による人的資源の有効活用」については3年度目に実施する)
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次年度の研究費の使用計画 |
設備備品について、本年度から繰り越した物品費は来年度使用する。必要図書の購入については本年度は行っておらず、来年度の実施となる。旅費は来年度は国内のみで、調査・研究のほかに、成果発表を行うこととする。なお、インタビュー文字起こし、およびデータ入力は来年度から本格発生する。
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