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2011 年度 実施状況報告書

投資意思決定に関するリアルオプション分析

研究課題

研究課題/領域番号 23530450
研究機関早稲田大学

研究代表者

葛山 康典  早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (10257222)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードリアルオプション / 投資意思決定
研究概要

本課題では、投資家と経営者の間の時間視野の差異が投資意思決定に与える影響について分析している。従来のモデルでは将来キャッシュフローの割引率の大小によって投資家の時間視野が表現され、経営者の割引率が投資家のそれより大きいと仮定することによって、その違いを表していた。 本研究では、経営者の報酬体系のなかに、経営者にとってのリアルオプション価値を内在するように経営者の報酬体系を設計することによって、経営者と投資家の割引率の大小を仮定せずに、時間視野の違いをモデル化する。 経営者の時間視野を分析するにあたって、対象となるプロジェクトの構造として競争環境下を想定する。具体的には、まず単純化のため、Leader 及び Follower の 2社が研究開発あるいは、不動産開発において競争関係にある環境を想定した。このモデルは、Grenadier(2009)をベースとしており、First Mover が大きな利益を上げる Preemption の構造を内在させている。従来研究では、需要など経済要因がある一定水準の閾値に達した場合に投資を実行するという取り扱いが一般的である。本研究では、投資がどの時点に行われるかについての、確率分布を導出し、経営者の時間視野について、より直接的に導出する方法を検討した。閾値の高低を時間視野と結びつけて議論する方法に比べて、投資時刻を議論できることはメリットが大きい。これらの詳細な分析については引き続き検討を加えたい。なおこのモデルでは、経営者の時間視野についての統計情報を提供すると同時に、First Best 解を導出するためのモデルと位置づけられる。 現時点では経営者の報酬システムをモデルに取り込む段階には至っておらず、今後報酬システムをモデルに取り込んだ形での分析を進めてゆく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画では、本年度において投資家と経営者の時間視野の違いをモデル化し、分析する予定であった。当初の研究計画では投資が実行される経済環境の閾値のみを取り扱う予定であったが、新たに投資時刻の確率分布に関する結果が得られた。この結果によって時間視野についてより詳細な分析を行うことについて新たな研究の進展方向を検討する必要性が生じたためである。

今後の研究の推進方策

既に述べたように、当初の研究では投資が実行される経済環境(例えば需要)の閾値をモデル化することによって、投資家の時間視野を表現することを検討していたが、新たに投資時刻に関する結果を得ることができたので、この結果をよる効率的に利用したモデル化について検討しつつ、研究を実行して行きたい。

次年度の研究費の使用計画

研究計画書どおりを予定している。

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公開日: 2013-07-10  

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