従来のビジネス・グループに関する研究が開発途上の不完全競争の経済環境をその重要性の主要因と見なしてきたのとは異なり、本研究は企業内に蓄積された競争資源とその資源を動的に活用する能力に注目して、この要素が成熟経済においてもビジネス・グループを国際市場で競争可能な経済主体として機能した事例を検証した。これらの資源あるいは能力は、金融・財務、人的資源、マーケティング、とりわけ組織マネジメントといった要素に関連するもので、その応用能力を根拠として、例えばヨーロッパでは家族を中心とするビジネス・グループが存続しており、さらにアメリカでは価値投資の手法を駆使したコングロマリットが顕著なことが理解できた。
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