研究課題/領域番号 |
23530480
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
影山 摩子弥 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 教授 (80214279)
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キーワード | 障害者雇用 / CSR / 中小企業 / 企業の社会的責任 |
研究概要 |
当研究は、企業の経営層に対するアンケートと社員に対するアンケートを通して、雇用された障がい者が、経営にとってプラスの影響を与えていることを明らかにすることを企図している。経営層に対するアンケートは主に業績を聞くものである。社員に対するアンケートは、プライベートと社内における障がい者との接触状況、精神健康度、仕事満足度、障がい者の能力についての印象を聞く質問、から成る。当該年度に行った研究は以下のような内容になる。 「1.アンケートに新規に協力してくれる企業を探し、お願いをする。」「2.前年度との違いを確認する意味で、再度アンケート実施をお願いする。」「3.障がい者は、健常者社員の精神健康度、仕事満足度にプラスの影響を与え、それを通して、業績の改善に資することが明らかとなったが、なぜそうなるのかの内的メカニズムが分からないため、精神科医や障がい者支援団体などからヒアリングを行う。」「4.実際に、アンケート調査で論証したようなことが、どの程度現実的であるのか、稀有な例外なのかを明らかにする種に、事例を思われる企業にヒアリングを行う。」 「1.」については、前年度とほぼ同数の企業に協力してもらうことができた。ただ、一部データの欠落などで、3社は、有効回答から除外せざるを得なかった。「2.」については、協力企業数社を見つけることができたが、中小企業であることもあり、有効なデータが取れないと判断した。中小企業だからではなく、新規採用がいずれもなかったためである。「3.」については、精神科医1名、精神科クリニックの障がい者支援部門の担当者5名、就労支援組織のメンバー7名からヒアリングを行い、分析の結果が妥当する可能性が指摘された。「4.」については、障がい者雇用を進める8社にヒアリングを行い、分析結果に共感できるとのコメントをもらった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
協力企業はそれほど多くないものの、仮説は証明されたといえると判断している。 当初、ヒアリングは補足的、もしくは、それほど実施しないことを想定していたが、ヒアリングを通して、研究結果の正当性が、実務的観点からも論証されたという意味で、きわめて意義が大きく、研究は、きわめて順調といえる。
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今後の研究の推進方策 |
1.アンケートは締切り、最終集計と分析を行う。 2.当初計画に盛ったように、学術的発表だけではなく、むしろ、社会に発信するための著作等にまとめる。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.分析の実施。 2.分析を裏付ける研究のための文献購読。 3.ヒアリングの実施。 4.社会に発信するための著作の発行。
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