研究課題/領域番号 |
23530481
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
北島 啓嗣 福井県立大学, 経済学部, 准教授 (60398980)
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研究分担者 |
崔 容熏 同志社大学, 商学部, 教授 (70315836)
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キーワード | 所有権 / 商業政策 |
研究概要 |
本年度は、これまでの定性的研究を一旦総括し、次年度以降の定量調査への準備作業を行った。その一環として国内外のSCに対し訪問調査を実施、その概要を専門誌に掲載した。 インタビュー等の定性調査からSCの業績を規程する要因として、企業の経営幹部が認識するドメイン、所有権構造を示すものとしての家賃等の設定方法、意思決定の集権度合いを抽出、媒介変数としてMD(マーチャンダイジング)への介入の度合い、店舗の情報収集および顧客情報把握の程度を抽出した。 これをもとにアンケート調査票を起票し、予備的な調査を経て夏を目標に本格的な調査を行っていく。現在、調査対象企業の把握、情報の収集および作業の外注など事務作業を並行してすすめている。 また、従来の流通企業研究は業種業態を固定して考え、業種業態内の所有権構造の差異および変遷には相対的に関心を払ってこなかった。本研究では、業種業態内の所有権構造を把握するために測定の尺度を開発した。 また、本年度は、多様な角度からSCの現状を把握すべく、所有権構造を形成するに至る大きな要因としての商業政策に着目し、その歴史的変遷と意義について考察し学会発表を行った。そこで明らかになったのは、商業政策を巡る2つの対立軸の変化である。その結果、研究が取り上げるショッピングセンター、あるいは百貨店といった大型店のしめる位置が変化を遂げた。本稿はここ30年の動きを踏まえて、現在のその位置づけを確認した。これは平行して論文としてまとめ、投稿していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外調査について一昨年の日中関係悪化の影響から直前になって中止したことの影響が未だに残っており、その影響でその後の研究スケジュールに若干の遅れが生じた。 その他の領域については概ね順調に推移しているといえる。 また、その遅れを取り戻す意図もあり、研究組織を刷新し、新たに研究者一名を増員した。これにより定量研究の進捗状況の加速が期待される。 また研究の副産物として商業政策への注目と研究課題への影響について課題が浮上し、分析を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度までの定性調査から、SCの業績を規程する要因を抽出して、本年度は定量調査を行っていく。 定量調査の結果は、平行して、いくつかの論文等としてまとめ、また学会発表を行っていく。 また、定量調査からの理論形成について、定量研究の方法論についての研究会を開催参加し、方法論の確立を目指している。 定量調査は、変数として企業の経営幹部が認識するドメイン、所有権構造を示すものとしての家賃等の設定方法、意思決定の集権度合いを抽出、媒介変数としてMD(マーチャンダイジング)への介入の度合い、店舗の情報収集および顧客情報把握の程度を抽出した。 ここから調査票を起票し、予備的な調査を経て本格的な調査を行っていく。まず、調査対象企業の把握を現在おこなっていく。これから、住所、担当者等の情報の収集および作業の外注など作業をスケジュールに基づいて着実に実行ししていく。 また、別途、商業政策への注目と研究課題への影響について課題について分析を行って論文をまとめて発表していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
一昨年の日中関係悪化の煽りを受けて中国調査が直前になって中止になったことにより、海外調査計画が遅延していることによる。 研究組織を刷新、研究分担者1名を追加することによって、研究の遅延を取り戻す。この件に関しては、別途に届け出て許可を頂戴している。
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