研究課題/領域番号 |
23530481
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
北島 啓嗣 福井県立大学, 経済学部, 准教授 (60398980)
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研究分担者 |
崔 容熏 同志社大学, 商学部, 教授 (70315836)
早川 貴 立命館大学, 政策科学部, 准教授 (10367683)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 所有権理論 / 環境適合 / ケイパビリティ / 予言の自己成就 / 業態 |
研究実績の概要 |
最終年度の主たる成果として、SCと百貨店等の競合関係を実証的に明らかにしたことである。競合関係は業態の差異を超越し、地理的な制約を強く受ける。また、SC等の協調・統制は、「集客を共同で行うのか」「顧客・売上等の情報の共同所有」「品揃え(マーチャンダイジング:MD)の統一感」などの観察可能な媒介変数を通じて、被説明変数たるパフォーマンスに影響する。協調・統制を操作化するために独立変数として「会議形態」「家賃設定」「ドメイン認識」等が抽出された。特に本年度は、ドメインをどのように認識するか、換言すれば、自らの業態をどのように認識するかが所有権構造を規定する主要な要因であり、これが、予言の自己成就のメカニズムを通じてパフォーマンスに影響する。 期間を通しての成果として、所有権が分散するSCが、所有権を集中させる百貨店より現在パフォーマンスの上で優位にあることのメカニズムである。所有権が分散する構造は、統制が困難である。この所有権は、法的な所有の問題ではなく、経済学的所有権であり、法的な所有権に関わらず、モニタリング等のコストの支出なしに経済的な所有はできない。しかし、競合関係にあり、統制重きを置くマネジメントを持つ百貨店よりも、SCは、現在では優位にある。それは、1.その統制の中にはコストをかける意味がないものがあり、SCのコスト構造が優位にあった。2.環境に適応するために、能力を組み替えるコストが低く環境にダイナミックに適合可能であった。
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