研究課題/領域番号 |
23530491
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研究機関 | 城西大学 |
研究代表者 |
福島 和伸 城西大学, 経営学部, 教授 (40316675)
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研究分担者 |
香村 俊武 城西大学, 経営学部, 教授 (20015556)
大島 卓 城西国際大学, 人文学部, 教授 (80145804)
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キーワード | 国際研究者交流 / 国際情報交換 / 中国 / 日系企業 / 技術スピルオーバー / サプライチェーン |
研究概要 |
最終年度としての本年度の実施事項は以下のとおりである。まず、大連での企業訪問インタビュー調査の追加実施、大連理工大学の研究者との前年度までの研究をもとにしたまとめ作業、また残された課題についての討議を行った。つぎに、上海での企業訪問インタビュー調査の実施、および上海海事大学の研究者との研究討議をもとにした研究のまとめのためのアイデア出しを行った。さらに、最終年度として、新たに広州の中山大学嶺南学院の研究者と共同で、広州における日系企業2社(華南日通、広汽本田)の訪問インタビュー調査を実施した。この結果は、日本企業による現地への技術移転についてのケーススタディとして行った。さらに、これら2つのケースを通した分析検討を実施し、研究全体の結論の一部とした。 研究期間全体を通した成果は、以下のとおりである。中国における日系企業のサプライチェーン上流に向かう技術スピルオーバーに関する研究が今回のテーマである。ここでは、技術を3つのカテゴリーに分け、製品技術、生産技術、ロジスティクス技術のそれぞれに焦点をあてた。ただし、サプライチェーン上流に向かう技術という観点から、主として生産技術とロジスティクス技術に関する調査結果が多くなった。とくに、対象とした企業が、エレクトロニクス、自動車などの業種を多く調査した結果という意味もある。それぞれ、様々な形での技術移転が、意識的にも結果的にも行われていることが分かり、それを説明するためのモデル化もある程度できたものと考える。とくに、特徴的なことは、日本の強みと考えれている現場力がどのように移転されたかである。たとえば、最先端のシステムを移転することが理論的に可能なことであっても、あえて人間のもつマネジメント力を駆使したシステムづくりの成功例など、注目すべき結果も浮き彫りされた。
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