研究課題/領域番号 |
23530499
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
芦沢 成光 玉川大学, 経営学部, 教授 (20184161)
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研究分担者 |
飯村 龍一 玉川大学, 経営学部, 教授 (80266246)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 支配的論理 / アナロジーによる推論 / 戦略 / 選択体系機能言語学 / 経営者 / 中小企業 / 言語 / 意思決定 |
研究概要 |
大学に近接する中小企業4社に対して、インタビュー調査を実施している。この調査では企業経営の分析を行い経営理念とビジョン、そして戦略について質問をしている。また、戦略を考える際の経営者の支配的論理と意思疎通の手段について聞き取りを行なった。中小企業経営での経営上の課題について、具体的に話を聞くことが出来た。しかし、それぞれの業種も大きく異なり、企業規模も大きく異なる4社であるため、経営上共通する点について的を絞って理論的な整理を行なった。また、その支配的論理をアナロジーによる推論でどのように利用したのかという点は十分に聞き取ることはできなかった。歴史的にも若い企業が多く、支配的論理を経営者が十分に形成することができていない可能性もある。そのために、戦略の転換を出来ずにいる中小企業が多いことが考えられる。しかし、これも4社に対する調査にとどまり、十分な実態調査は出来なかった。 言語学からの分析では、調査した中小企業での経営者の利用する伝達手段と言葉について聞き取りを行なっている。具体的な言葉の特徴について明らかにすることができた。経営者に特徴的な話し方のパターンが従業員へのコミュニケーションでも利用されていることが予測でき、一定の作業仮説として設定できる。しかし、この研究も4社しか調査ができなかった。 また中小企業だけの分析では、その特徴を明らかにすることに限界があると考え、大企業のアニュアルレポートを利用した、分析を並行して行なった。日本の家電・総合電機6社について、2000年の前後に大きな戦略転換が行われた。その時に社長に就任していた経営者の発言をアニュアルレポート、雑誌インタビューを利用して収集している。その経営者の発言をデータベース化して、選択体系機能言語学の視点から、その特徴を明らかにすることを行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
東日本大震災の影響で、多くの中小企業が操業を短縮したり、業務の大幅な縮小をすることになった。そのために、調査を行う予定の対象企業にインタビュー調査を受け入れてもらうことが困難であった。そのため、調査データの収集ができず、研究に遅れが生まれてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に十分な中小企業調査が実施できなかったので、平成24年度以降はインタビュー調査を積極的に行う予定である。また、調査データの分析を行い、大企業との比較分析を行い、中小企業の特徴を明らかにする予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
(1)データ処理用のパーソナルコンピュータの購入を行う (2)理論の検討に利用するための基本文献の購入を行う。 (3)インタビュー調査を行うために東京近郊と新潟、大阪の中小企業調査に、旅費を使用する。 (4)大企業と中小企業経営者の発話のデータベースを作成するために、分析ソフトウエアの購入を行う。 (5)データベースを作成するために、人件費を使用する。
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