研究課題/領域番号 |
23530500
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
中村 久人 東洋大学, 経営学部, 教授 (30132111)
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キーワード | ボーングローバル企業 / グローバル経営 / 多国籍企業 / 国際的中小企業 / 国際的ベンチャー / スタート・アップ / テラモーターズ / 日プラ |
研究概要 |
当年度研究の具体的内容:引き続きボーングローバル企業(BGC)において早期国際化が可能になる理由とその背景や、希少な経営資源しか持たないBGCがなぜ大規模多国籍企業との世界市場での競争に伍していけるのか、さらにはBGCの類似企業についても考察した。さらに、伝統的な国際経営理論に代わってBGCのそうした経営現象を説明できる理論の研究として、ネットワーク・アプローチ、リソースベース・アプローチ、起業家精神アプローチ、およびメタナショナル・アウローチの観点からの理論研究を行った。さらに、科研費を利用してインドのBGCや日本のBGC(日プロ、テラモーターズ、ジオ・サーチ、マニー、スミダコーポレーション)などの事例研究も行った。特に、日プロ、マニー、スミダコーポレーションについてはボーン・アゲイン・グローバル企業(長年の国内企業活動の後、あるときから突然海外事業活動を開始する企業)として位置づけた。 研究の意義と重要性:ボーングローバル企業の経営についての研究は、北欧やアメリカでは盛んであるが、わが国では十分な研究実績がない。企業の閉業率が開業率を上回るわが国がこの先経済成長を行うためにはベンチャービジネスや中小企業が海外で事業活動を行うことが今日ほど重要性を高めている時代はないといっても過言ではない。また、今日のグローバル化とIT化の進展は日本のBGCが海外に雄飛できるチャンスでもあり、そのためにもBGCの経営に関する研究は大いに意義のある重要なものと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2012年度には、「ボーングローバル企業経営の理論研究ー早期国際化と持続的競争優位性を中心としてー」と題した博士論文(乙)を東洋大学に提出し、翌年2月に博士号の授与を受けることができた。また、2013年にはこの分野の権威であるS.T.カブスギルとG.A.ナイト著書『ボーングローバル企業論』を翻訳・監修し出版(八千代出版)することができた。 さらに、2013年6月には先の博士論文を基にその後の日本のボーングローバル企業の事例研究を加えて、『ボーングローバル企業の経営理論』(八千代出版)を刊行することができた。
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今後の研究の推進方策 |
これまで科研費で購入した書籍、論文、その他の資料などを渉猟して、いわゆる「ボーングローバル現象」を解明できる理論の研究を行ってきた。また、北欧、インド、日本におけるBGCの事例研究も行ってきた。 今後は、既述のBGCの経営理論を検証するために、なるべく多くの企業についての事例研究を積み重ねて行きたいと考えている。折りしも経済産業省から「日本のグローバルニッチ企業100選」が発表されたが、こうした企業も含めて内外企業の事例研究をさらに進めて行きたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
25年度使用予定としていた国内企業調査および購入予定の書籍が手に入らなかった為。 予定していた国内企業調査および書籍購入を26年度に行う予定である。
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