研究課題/領域番号 |
23530500
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
中村 久人 東洋大学, 現代社会総合研究所, 客員研究員 (30132111)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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キーワード | ボーングローバル企業 / インターナショナル・ニューベンチャー / 持続的競争優位性 / 早期国際化 / 国際的ベンチャー / 国際的中小企業 / ボーン・アゲイン・グローバル企業 / グローバル・ニッチトップ企業 |
研究実績の概要 |
内容:研究課題「ボーングローバル企業の国際化プロセスと持続的競争優位性の源泉に関する研究」は平成27年度で最終年度を迎えることになっている。平成26年度には、論文「ベンチャー・中小企業の国際化ー日本のボーングローバル企業とボーン・アゲイン・グローバル企業のケースを中心にー」、および論文「ボーン・アゲイングローバル・ニッチトップ企業ー新タイプの国際中小企業出現の意義ー』を上梓した。前者は日本学術振興会産学協力研究委員会の経営問題第108委員会で発表したものを同委員会の年報『経営問題』に掲載したものである。後者は東洋大学経営力創成研究センターの年報『経営力創成研究』に掲載したものである。 当研究の意義と重要性:平成26年度はカナダで開催されたAIB(Academy of International Business)の世界大会に出席し、ボーングローバル企業のトラックで世界各国の研究者の報告を聴くことができた。ボーングローバル企業は今や北欧やアメリカのような先進国だけでなく中国のような後発国でも多く出現しており、この研究が重要であることを再認識させられた。日本でもアベノミックスの3本の矢の一つである「成長戦略」において国際事業活動にかかわるベンチャービジネスや中小企業の増加が期待されている。そのためにはボーングローバル企業がなぜ早期国際化が可能なのか、どのような競争優位性を持てば国際企業・グローバル企業として持続的発展を確保できるのかといった研究は非常に重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究課題の眼目であるボーングローバル企業の国際化プロセスと持続的競争優位性の源泉について核心に迫れるまでになったと考えている。平成25年にはこのテーマに沿って博士論文を提出し博士の学位(乙)を受けることができ、その博士論文に日本のグローバル企業の事例研究を加えて著書『ボーングローバル企業の経営理論』を八千代出版から刊行することができた(平成25年6月)。またその前年度には、この分野のアメリカの権威であるCavusgil & Knight著、Born Global Firms: A New International Enterprise、を翻訳し、『ボーングローバル企業論』として刊行することができた(八千代出版)。また、平成26年度は、前年度に日本学術振興会産学協力研究委員会経営問題第108委員会で報告した「ベンチャー・中小企業の国際化ーボーン・アゲイン・グローバル企業のケースを中心にー」が経営問題第108委員会機関誌に掲載されたことなどからである。
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今後の研究の推進方策 |
内外のボーングローバル企業およびボーン・アゲイン・グローバル企業のケース・スタディーをもっと行うと同時に、ボーングローバル企業の経営論の構築を目指す必要があると考えている。そのためにはネットワーク論、資源ベース論、国際的起業家精神論、メタナショナル経営論などを総合した理論構築が必要だと考えている。
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