研究課題名は「グローバル企業の国際化プロセスと持続的競争優位性の源泉に関する研究」である。 [内容]研究期間全体としては、ボーン・グローバル企業(以下BGC)について、BGCの概念とその特徴の検討から始め、伝統的大規模多国籍企業とは違う新しい国際化プロセス(早期国際化プロセス)について考察すると同時に、それを可能にするBGCの持続的競争優位性の源泉についても重点的に検討した。これらの課題をネットワーク・アプローチ、資源ベース・アプローチ、国際起業家精神アプローチ、およびメタナショナル経営論の観点から検討した。研究は文献研究とインタビュー調査による実証研究の両面から行われた。 最終年度においては、上記の課題をさらに深堀し、ボーングローバル企業の概念を拡大し、ボーン・アゲイン・グローバル企業やグローバル・ニッチトップ企業についても研究し、日本マネジメント学会から派遣され韓国のKAIST大学に於いて上記研究課題名で発表を行った。 [意義]BGCはなぜ希少な資源しか持たないのに大規模多国籍企業との競争に伍していけるのか、それらの現象が既存の理論では十分に説明できないとすればどのような理論で説明できるのかについてかなり明らかにできたと考えている。 [重要性]このようなBGCあるいは中小企業の国際化の研究は、北欧やアメリカでは精力的に行われており、グローバル化の中にあって起業を促進することでわが国の経済再興にも役立つものと確信している。
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