研究課題
果たして文系産学連携の取り組みは地域再生の起爆剤となり地域の救世主となりえるのだろうか。本研究では、こうした問題意識のもと、文系産学連携がどのような分野で展開され、どのように奮闘しどのような結果をもたらしているのか、課題や限界はどこにあるのか、その実態の解明と文系産学連携の有効性を説明する理論的枠組みを検討することで、その答えを探求してきた。すなわち、文系産学連携がもたらす役割、意義そして限界に関して「大学は、社会的課題、地域課題の解決へつなぐ、橋渡し役あるいは先導役としてのソーシャル・キャピタルになる。そのための仕組み、仕掛け、評価、政策支援が重要となる。」を仮説として掲げフィールド調査を用いた定性的手法によってこの仮説検証を試みた。理論研究では、ソーシャル・キャピタル論をキーコンセプトとして、人材育成、地域振興、組織、ブランドマネジメント、評価を切り口に、文系産学連携の意義や役割を明らかにしてきた。また、アンケート調査を実施し、全国の大学から得られた約170サンプルを基に文系産学連携における実態を把握しその有り様について体系的な整理を行うとともに、上述の仮説を構築した。実証研究では、理論研究で示した仮説検証を、聞き取り調査とフィールドワークによる実践的なケーススタディによって明らかにした。聞き取り調査では全国津々浦々多くの大学を訪問し機微な情報を収集し、本研究会の研究者らが実践してきたフィールドワークでは、15プロジェクトを超える事例を実践しそのうち9事例を調査対象として仮説検証を行った。平成25年度は本研究会の最終年度にあたる。本研究会の研究成果は、論文としてとりまとめ最終成果物として研究書を商業出版した。
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産経研年報
巻: 第31号 ページ: pp.1-8
信州大学イノベーションマネジメントジャーナル
巻: 第9号 ページ: pp.73-81
巻: 第30号 ページ: pp.1-13
ふくい経済研究
巻: 第17号 ページ: pp.47-67