研究課題/領域番号 |
23530513
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大門 毅 早稲田大学, 国際教養学術院, 教授 (80329333)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | BOP / CSR / インド / 貧困 / 開発 / ビジネス・モデル |
研究概要 |
(1)BOP研究会(23年度は2回実施):「早稲田大学BOP研究会」(以下「BOP研究会」と呼称)は本研究代表者が事務局をつとめ、委員の選定を行った。同研究会とあわせ、企業関係者(200社)を対象として、「BOPビジネスフォーラム」を実施した。(2)企業訪問(23年度は国外5社、国内10社を予定): BOP研究会メンバー企業はインドを中心に、水浄剤、文具など事業展開を一部開始しているが、まずはそれらを中心に事例分析をし、その後、BOP研究で幅広いネットワークをもつ研究者の協力を得て、訪問企業を絞っていく。企業訪問は「BOP企業活動が目的としている社会開発(貧困削減、衛生改善)にどの程度寄与しているかを定性的・定量的に検証することを最大の目的としている。2011年9月には在インドBOP企業(日系、インド系、欧米系)を10社訪問した。国内では、5社を訪問。(3)企業アンケート(23年度は実施準備のみ): サンプル企業訪問を通じて明らかになったBOPの課題を踏まえ、あらためて企業経営による社会開発問題の取り組みに関するアンケート調査を行う。アンケート対象企業は国内外にできるだけ網羅的におこなう。そのうち、データ分析として有意な結果が期待されるサンプル100社程度から有効回答を得たいと考えている。 上記と関連して、早稲田大学に「インドビジネス塾」を開講し、BOPの事例分析を中心として、将来インドBOP市場に参入を検討する企業との意見交換を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)BOP研究会、インド塾とあわせ、都合3回(予定では4回)開催した。(2)企業訪問(インド10社、国内5社)(予定では国内10社、国外5社)を実施した。(3)企業アンケート(予定では100社):アンケート項目について準備が進んだものの、実際にアンケートを実施するには至っていない。上記に加え、情報収集、発信の場として、本学内に「インドビジネス塾」を開設した。
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今後の研究の推進方策 |
(1)企業訪問・アンケート調査(3年間で50社訪問を予定):前年度に引き続き、平成24年度に2回、平成25年度に1回を予定している。予定訪問先は引き続きインドを中心に選定をする、南アジア地域の他国や東南アジアに行く可能性もある。アンケートについてもBOP研究会での議論を踏まえつつ、改訂版を作成して配布し、データ分析をさらに精緻化していく。(2)BOP政策支援(公的機関の支援政策のレビュー):企業活動を支援する政策的・制度的な枠組みについて内外の事例(例:国内であれば、経産省、NEDO、国外であれば国連機関のUNDP、 UNIDO、世銀グループのIFC、MIGA、米USAID, 英DFID, 独GTZ)を収集し、支援の特徴や方法についてとりまとめる。必要であれば、企業訪問の際にこうした政府機関もあわせて訪問し、情報収集を行う。(3)BOP研究会(3年間で12回開催予定):企業訪問・アンケート分析結果を報告し、研究者・企業担当者・政策関係者から有益なフィードバックを受けながら、研究を精緻化していく。BOP研究会の議論を踏まえ、委員の中から別地域(アフリカ、中南米など)を含めたより広範囲での研究調査を行う研究体制が確認されれば、本研究と連動した助成金申請(例:基盤研究(B)または(A))の申請も視野に入れる。(4)学会発表:平成24年度に国内学会(例:日本開発学会、国際経済学会、経営学会)、翌25年度に海外学会(例:米国経営学会)で発表を行うことを考えている。なお、正式な学会ではないが、研究代表者の元勤務先で人脈もある世界銀行本部(ワシントン)や東京、デリー、ダッカ各事務所にてBOP実務担当者、研究者を対象としたミニ・ワークショップを実施したいと考えている。研究成果は内外の学会誌に投稿する。
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次年度の研究費の使用計画 |
(1)旅費(24年度はインドネシア訪問予定)~但し、学内予算との折半の可能性あり。(2)物品費~出張に関するPC機器など出費予定(3)書籍~BOP関連の書籍を購入予定(4)校閲~学会発表のため、英文報告書の校閲を行う予定
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