研究課題/領域番号 |
23530515
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研究機関 | 長野大学 |
研究代表者 |
河野 良治 長野大学, 企業情報学部, 准教授 (30350424)
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研究分担者 |
岩田 一哲 弘前大学, 人文学部, 准教授 (70345859)
池田 武俊 千葉商科大学, サービス創造学部, 准教授 (40381438)
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キーワード | 起業家 / 起業家教育 / コンピテンシー / 非認知的能力 / ベンチャー企業経営 / 中小企業 / employability |
研究概要 |
平成25年度の研究実施上の目標は、ベンチャー企業経営者への郵送法アンケート調査とweb調査の二つの調査を実施することである。いわゆるアベノミクスによる景気回復が期待されたため、回収率の向上を期待してアンケートの実施時期を計画よりも遅らせることととした。ベンチャー企業経営者への郵送法アンケート調査については、関係団体からの協力を得ることができ、分析可能な回答を得ることができた。web調査については、30・40歳代男性の3000サンプルから回答が得られた。また、ベンチャー企業経営者への郵送法アンケート調査の実施時期とweb調査の実施時期の時間差は、計画よりも小さくする事ができた点でも良好に研究計画を実施できたと考えられる。 調査の実施が予定よりも遅れたため、十分な統計分析とこれに伴う情報の発信が送れているが、これらの課題は平成26年に実施される。「職位間比較による起業家能力の解明」と題された本研究において、曖昧性や新規性の高さに注目し、これらとストレスとの関係を調査した。web調査では、経営者など曖昧性や新規性の高い仕事を担う人材は、管理者・従業員・非正規労働者よりも、成功体験をより多く経験しており、有能感が高い傾向が見られた。文献研究から、成功体験を繰り返すことで有能感が高まることが示されている。これらの事実は、曖昧性や新規性の高い仕事を担う人材を育成するためにはある種の経験や価値観の醸成が求められると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
より良い調査実施のために、調査の時期を調整せざるを得なかったため、調査結果の分析や結果の公表が遅れてしまった。しかしながら、こうした時間が理論的考察を進め、調査計画よりも一歩進んだ仮説に基づく調査を実施できた。具体的に、能力は、彼らの知識や技能が価値観と適応関係にある場合に発揮されると仮定していた。文献調査と理論的な考察を進め、知識や技能を下支えする価値観等とこれを形成する経験により注目すべきであると考え、これを質問票に加えることができ、結果として独創的な研究となった。
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今後の研究の推進方策 |
国際経営学会連合(明治大学)において口頭発表を行うと共に、英語論文の執筆を計画している。
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次年度の研究費の使用計画 |
理由は二つある。第一の理由は、調査結果の公表のための論文作成の経費を確保していたが、より良い調査結果が得られるように調査実施を遅らせたため、調査結果の公表が平成26年度にずれ込むことになった。第二の理由として、起業家向け郵送法アンケート調査の実施において、回答の催促に多くの予算をかける見込みであったが、予想以上に予算効率が悪いことが認められたため、計画の通り調査対象を拡大して調査を実施した。その結果、40万円程度の予算を削減することができ、効率的に研究を実施することができた。 海外の起業に関するカンファレンスへの参加、英語論文作成を行うためにの780,035円の支援を受けたい。起業に関するカンファレンスとしてユタ州で行われたInternational Business Model Competitionに参加することに約40万円の経費がかかる。英語論文等の翻訳作業に40万円弱の経費をかかると計画している。
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