本研究では、製造業がサプライチェーンにおけるパフォーマンスのトレード・オフを克服するメカニズムを探った。日本の製造業者2千社へのアンケート調査およびその内の8社へのインタビュー調査のデータにもとづいて、オペレーションの能力が高い企業には、「機能横断的なプロセス改善能力」と呼ぶ組織能力が備わっていることを明らかにした。さらに、サプライチェーン・マネジメント(SCM)の先進企業である株式会社リコーのグローバル在庫可視化システムに関する事例研究を行い、パフォーマンス測定システムの構築・運用を成功に導く要因について議論した。
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