2014年度は、2011年、2012年と学内の執行部役職に従事した都合上、研究計画に影響が出たため、本来、2013年度で終わるはずの研究計画に対し、1年間の延長を認められ、研究計画の最終年として研究成果の発表と執筆に注力した。2015年度に集中的にフランスの研究ができる環境が整ったことから、2014年度は日米の社会的環境の違いによる現象を中心にまとめた。まず、成果報告については、5月にスタンフォード大学にて、日本の就業状況、研究者・技術者の就業観についての傾向分析について発表を行い、7月に国際社会学会(横浜大会)にて、日米仏の研究者・技術者の移動傾向、就業観の比較について発表を行った。同じく7月にシカゴにて、Society for the Advancement of Socio-Economicsの年次大会にて、高流動性社会の人々の職場とコミュニティにおける社会関係資本の分析結果について報告を行った。高流動性社会の米国シリコンバレーの状況については、すでに紀要などのいくつかの論文にまとめているが、さらに2本のレフェリージャーナルへの投稿を行い、1本は採択され、2015年7月に掲載が決定しており、もう1本は審査中である。現在、本研究での知見を著書にまとめるための準備を進めている。また、これらに関連する分析を行ったものを、近く、海外の学術雑誌に投稿予定である。
|