研究課題/領域番号 |
23530522
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
出水 力 大阪産業大学, 経営学部, 教授 (20330136)
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研究分担者 |
渡邉 輝幸 大阪産業大学, 経営学部, 准教授 (60388353)
遠原 智文 大阪経済大学, 経営学部, 准教授 (50369930)
石坂 秀幸 大阪産業大学, 経営学部, 准教授 (50573698)
義永 忠一 桃山学院大学, 経済学部, 准教授 (00351677)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 中国 / ベトナム / 乗用車 / オートバイ / ヤマハ / ホンダ / トヨタ |
研究概要 |
2011年度は中国とベトナムを調査した。中国では北京市、広州市の北一大隈(工作機械)、広州トヨタ、広州ホンダ(いずれも四輪生産)、五羊ホンダ(二輪生産)、ホンダエンジニアリング(中国のグループ会社に金型を提供)を訪ねた。いずれも大企業で、独資のホンダエンジニアリングを除けば全て合弁企業であり、中国政府の産業政策に基づき日・中の持株割合は双方50%である。生産技術的な見方をすれば、コアの設備は日本と同じであるが、つなぎの特に自動化をするより、汎用的な設備に人員配置を増やすやり方をしていたが、今後は更なる人件費の上昇が予想でき、限りなく日本型の設備に移行する傾向が広州ホンダ、広州トヨタ共に感じられた。五羊ホンダはローエンドバイク生産のため設備的に、これといった特徴がなく、小品種量産型の30年以上前の日本工場に近い。今の日本のバイク工場は多品種少量生産に対応できるフレキシブルな自動化設備で、技術的な格差を大きく感じた。ベトナムではハノイのノイバイ工業団地に進出している規模で言えば中堅企業に相当するヤマハ発動機の一次サプライヤーを調査した。協栄製作所(二輪のパイプフレーム)、浜ガス(エンジンのガスケット)、フジコポレーション(二輪のブレーキディスク)である。このほかに小企業に当たる福井市に本社のある吉中精工(プラスチック金型の設計製作)、名古屋市にある自動車のプレス金型のナガラが技術指導をしているベトナム最大の民族系自動車メーカー・ビナスキ社を見学ヒアリングした。ヤマハ発動機系の部品企業は、ベトナムの完成車はローエンド製品のため設備は日本からの中古と、台湾製が目に付いた。台湾製が多いのは日本製の新品を入れるより台湾製なら2台買うことができ、スペックが劣っていても2台あれば、故障へのバッファもあり、2台同時に稼働すれば、日本製をフル稼働するより1.5倍の能力があるとの話であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在までの達成度であるが、調査が予算的に長い時間をかけて行う事が出来ず、工場見学とヒアリングおよび周辺データの収集で終わらざるを得ない。そのため具体的な現地ワーカーの育成や、全ての生産が自社で完結しているのではなく、如何に現地の下請け企業を使っているのかの実態調査ができていない。また外注企業への技術指導などが欠落している。これらは日本から現地工場を訪問する際に、外注先の訪問をお願いしても断られることが多いのが実態であるが、平成24年度の調査では何とかしたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
調査の進め方としては、今までの方式を踏襲する。つまり主にアジア地域の途上国を中心に調査を行う。また、出来るだけ効率的に調査できるよう工業団地に進出した日系企業、特に中小企業をターゲットにしたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度はアジア地域では、台湾、韓国、マレーシア、ベトナム(ホーチミン)を、場合によっては中南米を調査したいと考えている。研究メンバーの一人がアメリカに短期留学(3カ月)出かけるので、そこに便乗してメキシコも先のアジア地域の調査で余裕があるなら考えてみたい。
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