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2012 年度 実施状況報告書

ワーク・ライフ・バランスを支える新しい働き方と「人にあわせた職場」の提供

研究課題

研究課題/領域番号 23530524
研究機関関西大学

研究代表者

森田 雅也  関西大学, 社会学部, 教授 (40247896)

キーワードワーク・ライフ・バランス / 境界決定の自律性 / 非制度的支援 / 職場
研究概要

ワーク・ライフ・バランス(以下、WLBと略記)が求める働き方を達成するためには、かねてから主張してきたように、境界決定権の緩和がなされて、労働者が「境界決定の自律性」を発揮できるようにならなければならない。そのためには、組織が制度を整えたり、客観的な基盤を提供するだけでは不十分であり、非制度的な支援が必要である。非制度的な支援を効果的に行うには、一人の管理職が責任を持つ範囲(職場)で、さまざまな工夫がなされることが必要であることが明らかになった。つまり、ワーク・ライフ・バランスが求める働き方の達成には、組織レベルでのアプローチだけではなく、職場レベルでのアプローチが必要となる(ただし、それらの相対的優位性は、今後解明すべき課題である)。
WLBが求める働き方が達成されるためには、職場の構成要素としての、管理者(上司)、同僚、組織風土、職務編成、それぞれが、その働き方を支援する方向に調整される必要がある。これらの要素のあり方に関して、現時点では、管理者(上司)の役割が非常に重要であることが確認される一方、どのような職場ではどのような職務編成のあり方が有効であるかという点については、まだ体系的な結論は見いだせていない。
「人にあわせた職場」という考え方は、組織を設計し、それにあわせられる人だけを働かせるという従来の設計原理の延長上では十分に説明ができない可能性がわかってきた。それゆえ、従来とは異なる組織の設計原理を構築する必要性が考えられるが、その内容については、現時点ではまだ十分に構築できていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予定通り、2012年6月にIFSAM2012(アイルランド)にて、"Boundary Autonomy and Work-life Balance in Japan"の報告を行い、海外研究者らと意見交換、情報集を行えた。また、研究計画に基づき、文献研究を継続して行い、「研究実績の概要」に示した成果はあげた。
しかし、諸般の事情で、聞き取り調査が予定通りに進まなかったため、現在までの達成度を「やや遅れている」とした。

今後の研究の推進方策

最終年度となる平成25年度は、当初の計画通り、WLBを支える新しい働き方に関しては「働き方としてのWLB]という枠組みから、「人にあわせた職場の提供」に関しては「職場の設計原理とWLB」という枠組みから、体系化された理論的な枠組みの提示に努める。
その過程では、文献研究、聞き取り調査に加えて、平成23年度の質問票調査を改善した質問票を用いた調査も行う予定である。
さらに、「人にあわせた職場の提供」は、従来とは全く違った組織設計原理が必要であると考えられるので、単にWLBが求める働き方が達成可能な職場の構築にとどまらず、人口減少社会における新しい働き方構築の理論的支柱となりえる組織設計原理の追究を継続する。

次年度の研究費の使用計画

「次年度使用額」が生じたのは、「現在までの達成度」欄に記載した通り、年度末の休業期間に聞き取り調査を行うことを予定していたが、体調を崩したためそれを行えなかったためである。
平成25年度は、平成24年度に十分に行えなかった聞き取り調査(出張)に多くの費用を充てる予定である。現時点ではまだ調整中であるが、先方との調整がうまく進めば、英国でのWLBの先進事例の調査も行う。また、質問票調査の郵送費、データ処理料金などにも費用を用いる。これらを研究費の主たる使途とする予定で、多額な物品の購入は特に予定していない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Boundary Autonomy and Work-life Balance in Japan2012

    • 著者名/発表者名
      Masaya Morita and Takenori Takase
    • 学会等名
      IFSAM2012 (University of Limerick, Ireland)
    • 発表場所
      University of Limerick, Ireland
    • 年月日
      20120626-20120629

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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