研究課題/領域番号 |
23530540
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研究機関 | 文教大学 |
研究代表者 |
浅川 雅美 文教大学, 栄養学部, 准教授 (80279736)
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研究分担者 |
岡野 雅雄 文教大学, 情報学部, 教授 (40224042)
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キーワード | 視線分析 / 広告心理 |
研究概要 |
平成24年度の前半は、平成23年度に行った実験(予備調査を行って選定した45名の被調査者に非接触型アイカメラの前に座ってもらい「安全性」「ムード」「簡便性」「ダイエット」「価格」をそれぞれ訴求している食品CMを視聴してもらう実験)で得られたデータ解析を行った。すなわち、①全体の注視時間、②注視点の数、③ブランド名、商品のベネフィットに関する説明、その他(例えば、タレント、舞台背景など表現形式)の3つの「注視時間」について分析をした。その結果、CMで訴求している「食品選択基準」を消費者が重視しているケースの方が、重視していないケースよりも注視時間が長く、注視点の数も多い傾向にあった。ただし、23年度に選定したCMは、ACC賞を受賞したものに限定したため、伝達内容が詳しい説明型CMは少なく、CMソングを効果的に利用しているような表現形式が優れている作品が多かった。 そこで、平成24年度の後半には、ACC賞を受賞したか否かは問わず、特定保健食品のCMに見られるような、伝達内容が詳しい説明型CMを用いて、32名の被調査者に非接触型アイカメラの前に座ってもらい「安全性」「ダイエット」をそれぞれ訴求している食品CMを視聴してもらう実験を実施した。なお、23年度の実験データの分析から、CMでは、CMソングのような音声の影響がかなり大きいことが推察されたため、第二実験は、音声の影響を受けないパッケージ(ラベル)の写真をPCに取り込み、それについても、同様の実験を行った。 現在、第二実験のデータを解析している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、CMを用いた眼球運動の実験によって、交付申請書に記載した研究目的に示した仮説を検証した。仮説に反する結果は一つもなかったが、仮説を大きく支持できるような大きな差が2群で生じることは少なかった。この理由として、CMの場合、音声刺激による影響があるが、それについては眼球運動では把握できないことがある。また、CMの選定にも問題があったことが考えらる。そこで、(研究実績で述べたように)第二実験を行った。現在、このデータを解析中である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、第二実験で得られたデータの解析を行っている。 今後、2回に渡って行った実験について、総括したあと、結果を学会発表し、論文としてまとめる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
アイカメラデータを解析するためのソフトであるトビースタジオの保守点検にかかる費用が、2年間契約で39万円である。 その他、残額を学会発表の出張費用とする予定である。
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