研究課題/領域番号 |
23530544
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研究機関 | 東京経済大学 |
研究代表者 |
小松 雄一郎 (丸谷 雄一郎) 東京経済大学, 経営学部, 教授 (60360228)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | メキシコ / ドミニカ共和国 / 中南米 / カリブ |
研究概要 |
平成23年度はウォルマートが新規業態開発型戦略モデルを構築しつつあるメキシコ市場について、現時点での進捗状況をしっかりと確認するために、現地ウォルマート自身取引先競合企業現地専門家へのインタビューを行うと同時に、メキシコ全土に渡って現地調査を行った。 4-8月にはメキシコにおけるウォルマートの現地適応化戦略の現状を確認するために、私がこれまで調査してきた地域における状況の変化を確認し、現地視察候補地とインタビュー調査を行うために重要と考えられるキーパーソンへのアクセスを行った。 8-9月には上記の準備をふまえて、メキシコ全土のウォルマートの現地開発業態の現状を視察すると同時に、過去と現在の状況の相違を確認するために、メキシコウォルマートならびに現地競合企業であるソリアーナ社、多国籍企業のウォルマート担当者、現地流通専門家を訪問し、ウォルマートの現地適応化戦略の現状についての実態調査を行った。具体的には、メキシコシティ、メキシコ北部モンテレイと周辺都市への店舗視察、日系ながら大手高いシェアを有する飲料メーカーや現地専門化へのインタビュー調査を行い、同時に現地での資料収集を行った。 10-2月には上記調査結果を踏まえて3月の調査に向けて準備を進めた。なお、8-9月現地調査によって、ドミニカ共和国への出店可能性の高まりといった事実が明確となり、現地調査の必要性について確認し、アクセスのための取り組みを行った。 2-3月にはメキシコ南部の店舗視察のためにユカタン自治大学で研究員をされている研究者の協力のもとフィールドで関係性を確保積みの地域の現地調査を行い、ドミニカでも現地で活動する数少ない日系企業や大使館の協力のもと実態調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画にも書いた通り、具体的な調査方法の部分の工夫に示した通り、ファミリービジネスが幅を利かせているラテンアメリカ地域において重要性が高い、現地における人脈形成のために、定期的に現地を訪問し、人脈形成のための努力を行うと同時に、現地大使館や現地日系商社なども含めた現地事情に詳しいキーパーソンの発掘や現地に人脈を有する協力者獲得のための努力を継続的に行ったこともあり、現在までのところ、おおむね順調に進展している。 具体的にはメキシコシティにおける現地調査の際には、日系でありながら飲料メーカーとして大成功を収めているY社の全面協力によりインタビューを行うことができたし、モンテレイにおいては現地日系コミニティの協力により、現地コミュニティに新規開店予定店舗において開店前日にインタビューを行ったり、現地で消費生活を営む現地駐在員のご家族の皆様や日系レストランを営むシェフの方などメキシコ以外のの状況も熟知した皆様にインタビューを行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
メキシコ、ドミニカ共和国の現地調査とその後の検討においてより明確となったウォルマートの新規開発志向現地化モデルの他国への移転について調査するために、本年度までに獲得したアクセス経路に加えて、移転先であるブラジル、アルゼンチンにおいてもキーパーソンへのアクセスを確保するために、努力を続けている。 なお、ブラジルはアルゼンチンに比べて、国土が広大である上に、大都市も分散し、地域特性もかなり多様であるため、キーパーソンへのアクセスがより重要であるといえるために、特に多様な人材への接触を図っている。 現在までのところ現地日系コミニティ、現地進出決定済みの大手アパレルSPA企業などからアクセスの了承を確保しており、現在地方へのアクセス確保のために、メキシコ南部の地方へのアクセスにおいても有効であった社会学者へのアクセスを試みている。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は4-7月には前年度確認された新規開発業態がラテンアメリカ全域に適応可能かどうかを調査するために、ウォルマートがラテンアメリカで店舗を展開しある程度時間を経ている、ブラジル、アルゼンチンに関して、現地実態調査とインタビュー調査を行うために重要と考えられるキーパーソンへのアクセスを行う。 8-9月にはブラジルのウォルマートのメキシコで開発された新規開発業態の移転の現状を視察し、ブラジルウォルマート幹部ならびに現地競合企業、取引企業のウォルマート担当者、現地流通専門家を訪問し、ウォルマートの新規開発業態移転の現状についての実態調査を行う。調査方法は:ブラジルの店舗視察、現地関連企業や現地専門化へのインタビュー調査、現地での資料収集である。調査対象は現地ウォルマート幹部、現地競合企業幹部、取引企業のウォルマート担当者、現地流通専門家である。 10-1月には現地調査によって確認された内容に基づいて、新規業態開発業態の移転状況をまとめる。2-3月にはアルゼンチンウォルマートのメキシコで開発された新規開発業態の移転の現状を視察し、アルゼンチンウォルマート幹部ならびに現地競合企業、取引企業のウォルマート担当者、現地流通専門家を訪問し、ウォルマートの新規開発業態移転の現状についての実態調査を行う。調査方法はアルゼンチンの店舗視察、現地関連企業や現地専門化へのインタビュー調査、現地での資料収集である。調査対象は現地ウォルマート幹部、現地競合企業幹部、取引企業のウォルマート担当者、現地流通専門家である。
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