現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年度末までに、測定スケールを完成する予定であったが、研究の結果、前述のように既存のGoldsmith-Hofackerスケール(1991)が最も妥当であるという結論に至った。しかしながら、1995年のインターネットの商用可以降順調な進展を遂げてきたネットビジネスは、スマートフォン、タブレットなどの出現により、筆者の想定を超えて2012年後半より人々の買い物環境の激変をもたらしているように見受けられる。このような変化のなか、果たして1991年に開発された測定スケールで対応できるのかという問題意識を持つようになり、短時間に信頼の置ける情報収集方法としてNYUのソーシャルメディアの講座を受講した。これについては、日本マーケティング・サイエンス学会の「マーケティングのデータ分析とモデリング・アプローチ研究部会」にて報告している。この知見に基づいて次項で今後の研究の推進方策を述べる。 参考文献:Rossiter, John R. (2002), The C-OAR-SE procedure for scale development in marketing, International journal of Research in Marketing, 19 305-335.
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今後の研究の推進方策 |
既述のように、消費者と企業を取り巻くビジネス環境はネット環境によって大きな変化を遂げつつある。特に企業にとっては、消費者の革新性(=イノベーター)に関する理解が新製品の販売普及には欠かせないものであった。しかしながら、ネット環境においては、特にフェイスブックに代表されるようなSNS環境の出現で、イノベーターよりもインフルエンサーの重要性が指摘されており、企業サイドからは、インフルエンサーを自社のブランドを人々に推奨し、場合によっては守ってくれるディフェンダーとまで考えていることがわかった。したがって、現時点では、今後の研究計画を以下のように考えている。 1.4月~7月:文献調査によって、ネット環境におけるインフルエンサーの定義、測定法方法などの研究。同時にデーターマイニングについてのハンズオン知見を深め文献内容の理解を深める 2.8月~10月:質問紙調査によって、イノベーターとインフルエンサーの同一性、類似性の調査研究 3.11月~12月:整理 4.1月~3月:まとめ 以上 参考文献: Aral, Sinan and Dylan Walker (2012), Identifying Influential and Susceptible Members of SocialNetworks, Science 337,337. DOI:10.1126/science.1215842. Deighton, John and Leora Kornfeld (2011), United Breaks Guitars, 9-510-057, REV: Augast 11, HBS. Gupta, Sunil, Kristen Armstrong and Zachary Clayton (2011), Social Media, 9-510-095, REV: October 4,HBS.
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