研究課題/領域番号 |
23530554
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研究機関 | 大阪商業大学 |
研究代表者 |
水谷 淳 大阪商業大学, 経済学部, 准教授 (60388387)
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キーワード | 国際研究者交流 / カナダ / 子会社LCC / ネットワーク戦略 / カニバリゼーション |
研究概要 |
LCCのネットワーク戦略を分析するための予備的考察として,わが国の大手航空3社の費用構造を分析した研究成果を"Cost and Network Structure of the Legacy Carriers in Japan: The Effects of Entry into International Routes"と題して,第16回航空研究学会年次報告会(Air Transport Research Society World Conference)で報告した(平成24年6月28日,台南市). 本報告では,わが国の大手航空会社の国内線サービスと国際線サービス間の範囲の経済性を計測し,短距離国内線しか持たない航空会社が長距離国際線に参入した場合,国際線シェア(座キロベース)が20%を超えたあたりから範囲の経済性が生ずることを見出した.そして,この結果は新たに長距離路線への参入を試みているいくつかのLCCにとっても参考になると考えられる. また,各国のLCCのネットワーク戦略を考察すべく,OAGフライトデータの整理・加工を行った.特に大手航空会社の子会社LCCで最も業績を伸ばしている豪ジェットスター航空の国内線市場におけるの参入状況を中心に,平成25年度も分析を進めている. さらに,ジェットスター航空本社(メルボルン)を訪ねて同社のネットワーク本部長であるAlistair Hartley氏にインタビューを行った.そして,ジェットスターは親会社のカンタスと資本関係はあるものの,営業戦略上は独立しており,親会社と常に協調的な行動をとっているわけではないことが分かった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
フライトデータの整理・加工に予想以上の時間がかかっているため.
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今後の研究の推進方策 |
まずは,豪ジェットスター航空のネットワーク構築過程を明らかにし,同社の戦略を考察する.さらには同様の手法を用いて,ドイツGerman wings,イギリスGo fly,韓国JIN airなど,大手子会社LCCにおけるネットワーク戦略の国際比較を行う. 最終的に比較結果を論文にまとめる.
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次年度の研究費の使用計画 |
ドイツGerman wingsにインタビュー調査を行うため,さらにはカナダBritish Columbia大学の交通研究所(Centre for Transportation Studies)で研究報告するための旅費として使用する.
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