大手航空会社が新興LCCへの対抗策として,子会社LCCを設立するケースがあるが,欧米ではそのほとんどが失敗に終わっている.一方,堅調な営業成績をおさめているのが豪カンタス航空の子会社LCCであるジェットスターで,本研究では,同社のオーストラリア国内線におけるネットワーク展開を分析した. そして,就航路線や便数で親子間の競合関係は年々強まっているが,これはカンタスグループ最大のライバルであるヴァージン・オーストラリアに対抗するために2社が行動した結果,副次的に生じたものであり,両社が競合する路線においてもフライトスケジュールを調整したりして,競合を緩和させるような努力をしていることが分かった.
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