研究課題/領域番号 |
23530555
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
酒井 理 法政大学, キャリアデザイン学部, 准教授 (30411466)
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キーワード | ソーシャルキャピタル / 消費者行動 / 商業集積 |
研究概要 |
本研究の目的は、中小小売業で形成される商業集積がソーシャルキャピタルの形成に与える影響を明らかにすることである。研究は(1)商業集積と社会的コストの関係を探る研究、(2)商業集積とソーシャルキャピタルの関係を明らかにする研究、(3)ソーシャルキャピタルと地域の厚生向上に関する研究の3つで構成されている。 平成24年度は、研究代表者の研究機関移籍にともない東大阪市から東京へと拠点を移すこととなった。主要な研究フィールドである東大阪市との距離が遠くなるという不測の事態が発生した。東大阪市内、瓢箪山地域のまちづくり協議会との調整に手間取り、アンケート調査票は作成済みであるが実施日時が延期されている。 地域厚生に関する既存研究の文献、資料種集に関しては、ソーシャルキャピタル関連文献の購入は順調に済ませる事ができた。国内現地視察、海外現地視察に関しては、先に述べたように研究機関移籍という研究環境の変化が発生したため、当初の目論み通りには進まなかった。国内現地視察に関しては長野県飯田市でのフィールドワークのみであったが、ソーシャルキャピタルが高度に醸成されているといわれる地域であり、商業集積とソーシャルキャピタルの関連性理解の一助となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の所属が、東大阪市内から東京都区部に移ったことにともない、現場との距離が遠く離れてしまうことになった。これが研究の遅れをもたらしている大きな要因である。 研究計画に照らし合わせると、1年目から2年目にアンケート調査の実施を先送りしたところであったが、現場との調整が遅れており、平成24年度中に実施することができなかった。この調査に関しては平成25年度に実施することで調査協力先である「一般社団法人瓢箪山地域まちづくり協議会」との調整が済んでいる。統計データの収集と簡単な分析を初年度に済ませ、今年度はさらなる分析をおこなう事につとめた。計画どおり、既存の研究文献の収集と整理を平成24年度に実施した。国内現地視察に関しては、公民館活動が盛んでソーシャルキャピタルが醸成が高度に進んでいるといわれる長野県飯田市でのフィールドワーク(行政機関のヒアリング、住民活動主体への聞き取り調査)を実施することができた。さらに東京近郊で立川商店街連合会の協力を得て、立川市でのフィールドワーク(商店街組織のヒアリング)を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
前年度は移籍にともなう研究推進への影響はほとんどないと予想していたものの、拠点が遠方に移ったことによる、研究計画の実施はやや遅れ気味となった。前年度の状況を反省して、今年度は(1)アンケート調査の実施、(2)国内現地調査、(3)海外現地調査についてしっかり進捗を管理して進めることとする。 (1)アンケート調査票に関しては完成済みであるので、平成25年度第二四半期(9月まで)には実施し、残存の半年間を分析とまとめに充てる。(2)国内現地視察に関しては8月、9月のまとまった時間がとれる期間を利用して実施する。(3)海外現地視察については、8月、9月のまとまった時間がとれる期間を利用して実施する予定である。 大きく研究分野は(1)商業集積と社会的コストの関係を探る研究、(2)商業集積とソーシャルキャピタルの関係を明らかにする研究、(3)ソーシャルキャピタルと地域の厚生向上に関する研究の3つである。最終年度である平成25年度は、(2)と(3)に取り組みこととなる。アンケート調査の実施と結果分析によって(2)の研究を完了すると同時に、(1)と(2)の研究結果を使用して(3)の政策応用研究を深めるところまで進める計画である。
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次年度の研究費の使用計画 |
文献資料の収集はここまで一定程度進めてはきたが、さらに図書の購入を30万円程度計画している。アンケート分析を実施する目処がついたことにより、統計処理用ソフト、地図表現をするためのGISソフトの購入費用として50万円を計画している。アンケート調査の実施に150万円(人件費75万円、謝礼75万円)を使用する。研究フィールドである東大阪市瓢箪山地域との往復旅費として15回分60万円を使用する計画である。国内現地調査に20万円、海外調査に30万円を使用する予定である。直接経費344万円との見合いから使用計画費用は合計340万円程度となり、ほぼ見合う計画である。
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