研究課題/領域番号 |
23530556
|
研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
徳山 美津恵 関西大学, 総合情報学部, 准教授 (80363951)
|
研究分担者 |
長尾 雅信 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (50467065)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 地域ブランド / 戦略的ゾーニング / 連携型ゾーニング / 地域連携 |
研究概要 |
本研究の目的は地域ブランド構築における戦略的ゾーニング、特に連携型ゾーニングについてのマネジメント・モデルを構築し、地域活性化に活かすことである。 当初の計画通り、初年度は連携型ゾーニングの先駆的事例を収集し理論モデルを検討するために、先ず最初に取材候補地の検討を行った。その結果、お茶や源氏物語でブランド構築に取り組む京都府宇治市、日本で最も美しい村連合の本部がある北海道美瑛町、瀬戸内国際芸術祭に参加する瀬戸内海の島々を取材候補地とした。 研究の中盤では、それぞれの候補地でフィールドワークを行った。夏期の台風によって当初計画していた瀬戸内海の島々の調査は断念したが、瀬戸内国際芸術祭を主催する香川県庁へのヒアリングは行うことができた。また、宇治市のブランド構築の取り組みに関しては、特に源氏物語千年紀事業に関して京都府へのフォローインタビューを行った。日本で最も美しい村連合の本部がある美瑛町では、美瑛町独自のブランド構築への取り組みに関しての取材も行うことができた。 研究の後半では、フィールドワークの成果を基に、理論モデルの検討を行った。その結果、連携型ゾーニングに関しては地域間の温度差とアクター・組織の問題が大きいことが明らかになった。この課題に対して、日本で最も美しい村連合に加盟する長野県の町村の取り組みについての追加調査が必要であること、瀬戸内国際芸術祭に参加する島々への調査を再度試みる必要があることが分かった。その後、フィールドワークの成果を形として残すために、それぞれの地域のブランド構築に関するケース作成のための検討を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の初年度は、国内における連携型ゾーニングの先駆的な事例を収集・分析し、理論モデルの検討を行うことであった。そして、当初の計画通り、国内の先駆的な地域として3つの地域(宇治市、美瑛町、香川県)を取材することができた。ただ、夏期の台風によって当初予定したフィールドワークが一部分で終わってしまった地域や追加取材が必要な地域も出てきたが、これは研究計画でも予想していた範囲であり、研究の2年目に行うことができるため、研究そのものの進展に支障はないと考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は本年度の研究の中で取材が不十分であった地域(瀬戸内国際芸術祭に参加する島々ー直島、犬島、小豆島など)と追加取材を行う地域(日本で最も美しい村連合に加盟する長野県の町村ー木曽町、大鹿村など)を行い、理論モデルの精緻化を試みていく。そのために、先ず最初に初年度で明らかになった課題を更に検討し、次年度のフィールドワークを計画し、遂行していきたい。 次年度の研究計画では海外における連携型ゾーニングを取材する予定であったが、取材候補地であるフランスで最も美しい村連合の活動のメインが夏期であり、国内の取材と時期が重なることから、本年度の研究の中で明らかになった課題を優先する予定である。これも研究計画の想定範囲であり、問題ないと考えている。
|
次年度の研究費の使用計画 |
本年度は夏期の台風によってフィールドワークができなかった地域が一部あったことと研究代表者の体調のために医師の指示により後期の調査が制限されたため、繰越金(43万3506円)が発生した。 次年度もフィールドワークがメインの活動となるため、繰越金をあわせた研究費も国内旅費が主な使用用途である。初年度と同様、東京で行う定例研究会とフィールドワーク(瀬戸内海の島々、長野県の町村)に使用する予定である。また、取材記録を残すために、テープ起こしのアルバイトに用いる人件費に一部の費用を用いる予定である。 次年度に予定していた海外でのフィールドワークが次々年度に延期されることもあり、研究費の残金が出た場合は次々年度に繰り越すことも含め柔軟に用いる予定である。
|