研究課題/領域番号 |
23530556
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
徳山 美津恵 関西大学, 総合情報学部, 准教授 (80363951)
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研究分担者 |
長尾 雅信 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (50467065)
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キーワード | 地域連携 / 地域ブランド |
研究概要 |
本年度は、地域ブランド構築を目指した地域連携の先端事例である「日本で最も美しい村連合」の分析・モデル化のために、同組織に属する長野県の村々(木曽町、南木曽町、大鹿村、中川村)の調査を行うと同時に、観光における地域連携を促進する観光庁でのヒアリングをメインで行った。これらの調査をスムーズに行い、その成果を来年度につなげるために、毎月の定例研究会も実施した。 メイン調査の一つである長野県の調査だが、同県内には「日本で最も美しい村連合」に属する村が全都道府県の中で最も多い。しかも、長野県会議という下位部会を設置しており、積極的な交流を行っていることが前年度の同組織の事務局である美瑛町での調査で明らかになったため、追加調査を行うことになった。具体的には、それぞれの村々が取り組む活動と長野県会議の概要や交流の実態などについて、村々を訪れ、インタビュー調査や視察を行った。その後、既存文献でのコラポレーションのモデルに基づきながら、これらの調査で得た知見を加えて、モデルの精緻化を進めている。来年度は、それを基に実証研究を行う予定である。 本年度は、観光分野での地域連携である観光圏を提唱する観光庁へのインタビュー調査も行った。その結果、観光における地域連携の難しさ、国としての地域連携への関わりの限界など、地域連携におけるマイナス要因が明らかになった。この調査結果は、地域連携の限界と可能性として論文化したが、それと共に、先述のモデルの精緻化にも用いている。こうした研究成果によって、地域ブランド構築における地域連携モデルのベースを作ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、当初予定していた研究対象である「日本で最も美しい村連合」の原型である「フランスで最も美しい村連合」の調査を行っていない。ただし、その理由はあくまでも個人的な理由のためであり、国内での精力的な調査によって、地域連携モデルに関する調査は順調に行うことができた。また、本年度、実行できなかった「フランスで最も美しい村連合」の調査は、来年度計画している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は個人的理由のために、当初予定していた「フランスで最も美しい村連合」の調査を行うことができなかった。しかし、「フランスで最も美しい村連合」の調査計画は進めており、この調査は来年度行う予定である。そのために研究費も次年度に残している。 次年度は調査結果の分析に時間をかける予定であったが、国外調査も行うことになったため、その他の実証研究(地域連携に関する定量調査)を前倒しで進める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は、当初計画よりも一年遅れで「フランスで最も美しい村連合」の調査を行う予定である。個人的理由のために実施できなかった昨年度のフランス調査の予算を残すことになったため、それらを本年度のフランスでの調査費用に充てる予定である。それ以外では定量調査を予定しているが、金額によってはインターネット等を用いた調査を行って予算を削る等、研究費を有意義に使えるようにしていきたい。
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