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2011 年度 実施状況報告書

外食企業のグローバルダイナミズムの研究-食文化論を超えて-

研究課題

研究課題/領域番号 23530557
研究機関関西学院大学

研究代表者

川端 基夫  関西学院大学, 商学部, 教授 (60234118)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード外食企業 / 食品メーカー / 海外市場開拓 / 食品流通システム / 食文化
研究概要

今年度は、文献調査と日本(東京)と欧州(ドイツ、ベルギー、オランダ、フランス、イギリス)および東南アジア(タイ、シンガポール)で現地調査を行った。東京では外食企業と日本食輸出卸売業者のヒヤリング調査を行った。また、欧州では日系食品メーカーへのヒヤリングも行った。 その結果、以下の諸点が明らかとなった。1:外食グローバル化研究は主に米国で進んできたが、進出先でのオペレーションの実態やその成否がグローバル化に与える研究については皆無であること。2:日系外食のグローバル化は、主に現地市場要因、つまり現地の食文化や日本食ブームといった要因が支えているという研究が多かったが、日本食品メーカーの海外進出や現地の食品加工業者の発展が、いわば日系外食のインフラとして機能していることが明らかとなった。3:欧州と東南アジアでは、外食グローバル化の基盤条件が大きく異なること。すなわち、欧州の日本食ブームは、そのほとんどが寿司と焼き鳥であり、日本食材の流通も限定的であるのに対して、東南アジアでは日本のハンバーガーからラーメンまで幅広く日本食が受容されており、日本食材も幅広く流通している。また、アジアには日系の食品メーカーの工場や日系の食品加工業者が多数進出しており、いわば日系外食の調達・加工チャネルが構築しやすい環境にある。4:欧州での日本食は、華人、韓国人、ベトナム人、現地人が支えており、日系外食企業が優位性を発揮できる余地は小さい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定では欧州と米国を調査することとなっていたが、東南アジアへの日系外食の進出が急増している現状を受けて、欧州と東南アジアを調査することとした。その結果、両者の地域的な異なりが明確となり、研究全体のフレーム構築に目処が立ったことは大きな成果であった。これを踏まえて、2012年5月の日本商業学会全国大会で報告ができる段階に到達したことから、順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

今年度の前半に書く論文(日本商業学会のジャーナルである『流通研究』に投稿)で、外食グローバル化の研究フレームを確立し、それに沿ったかたちで実態調査を進めたい。現地調査については、日本の食品メーカーの調査を進めると共に、とくにアジアや米国での外食企業のオペレーション実態について調査を行いたい。

次年度の研究費の使用計画

今年度は、欧州で取りこぼしたイタリアでの調査と、アジアでの調査を進めたい。アジアは東アジア地域を行う予定である。それらへの旅費を中心に使用する。 また、今年度中に学会ジャーナルへの投稿論文を含めて2本以上の論文を執筆する予定である。その過程で、東京の食品メーカーや外食企業本社でのヒヤリングも行うため、その旅費への使用も予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 図書 (1件)

  • [図書] アジア市場を拓く-小売国際化の100年と市場グローバル化-2011

    • 著者名/発表者名
      川端基夫
    • 総ページ数
      328ページ
    • 出版者
      新評論

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公開日: 2013-07-10  

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