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2012 年度 実施状況報告書

外食企業のグローバルダイナミズムの研究-食文化論を超えて-

研究課題

研究課題/領域番号 23530557
研究機関関西学院大学

研究代表者

川端 基夫  関西学院大学, 商学部, 教授 (60234118)

キーワードアジア / 北米 / 欧州
研究概要

今年度は、①日系外食企業の海外進出と②日本食品の流通の2つの実態調査を研究の柱とした。
①については、日本国内(本社)および台北、ジャカルタ、バンコク、シンガポールの現地法人で調査を行ったが、現地の日系外食企業のみならず、現地で日系外食企業の誘致(フランチャイジー)を行う企業関係者や、現地の日系外食企業に食材を供給する企業の関係者からも幅広くヒヤリングを行った。その結果、日系外食企業が海外進出を行うダイナミズムの概要が明らかとなった。
②については、欧州(とくにイタリア)とアジアで実態調査を行った。イタリアでは現地で日本米を精米・販売する企業を訪れ、欧州内の米の流通システムや流通実態とその課題について調査した。また、イタリア内での日本の加工食品の流通実態についても調査した。その結果、イタリアでは寿司ブームの浸透と共に、日本米や醤油などの寿司関連食品が地元スーパーなどでも広く扱われている実態が分かった。一方、アジアでは、東アジア・東南アジア諸国共に、すでに幅広い日本食品(生鮮品や加工食品)が流通していることが明らかとなり、それらを扱う日系企業(卸売業者や輸入業者など)も多数確認できた。
これらの調査を基に、とくに①に関して、2回の学会報告(日本商業学会の全国大会と経済地理学会の関西支部例会)を行うと共に、1回の研究会報告(アジア太平洋研究所での報告)を行った。また、それらをベースに2本の論文をまとめることができた。1本は日本商業学会の学術雑誌『流通研究』に掲載され、他の1本は関西学院大学の商学部の紀要『商学論究』に掲載された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は何と言っても、外食企業の海外進出の研究フレームを構築するという大きな成果を得た。また、この成果は春の日本商業学会の全国大会で報告した後、同学会のジャーナルに査読論文として採択されたことも大きな成果であった。
また、そのフレームに従って海外で詳細な調査をすることで、フレームの実証が進んだことも成果であった。

今後の研究の推進方策

平成25年度は研究の最終年度であるので、これまで手が付けられていなかった北米の調査も含めて実態分析を行いたい。多くのケース分析を北米、欧州、アジアで行うことで、すでに明らかにしている研究フレームをより精緻化することを目指したい。

次年度の研究費の使用計画

夏に北米(ロサンゼルス、ニューヨーク)と欧州(ロンドン、パリ)で日系外食企業の調査を行うため、それに予算を割きたい。また、海外の日系外食を積極的にサポートしている国内の食品メーカーへのヒヤリング調査も行いたい。したがって、本年度の予算もこれまで通り、多くを旅費に振り向ける予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 外食グローバル化のダイナミズム:日系外食チェーンのアジア進出を例に2013

    • 著者名/発表者名
      川端基夫
    • 雑誌名

      流通研究(日本商業学会)

      巻: 15巻2号 ページ: 3-23

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日系ラーメンチェーンによる海外での食材調達システムの構築プロセス2013

    • 著者名/発表者名
      川端基夫
    • 雑誌名

      商学論究

      巻: 60巻4号 ページ: 325-341

  • [学会発表] 外食グローバル化のダイナミズム

    • 著者名/発表者名
      川端基夫
    • 学会等名
      日本商業学会
    • 発表場所
      北海商科大学
  • [学会発表] 日系外食企業のアジア進出のダイナミズム:システム構築の視点から

    • 著者名/発表者名
      川端基夫
    • 学会等名
      経済地理学会
    • 発表場所
      大阪市立大学文化交流センター
  • [図書] 改定版 立地ウォーズ2013

    • 著者名/発表者名
      川端基夫
    • 総ページ数
      286
    • 出版者
      新評論

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公開日: 2014-07-24  

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