本研究の目的は、二つの異なる財務報告アプローチ、すなわち貸借対照表アプローチと損益計算書アプローチの統合の方向性を探究することである。主に企業結合や連結財務諸表に関する会計基準を題材として、利益認識のタイミングを決める概念および株主資本の範囲を決める概念に焦点を合わせた。 研究の結果、二つのアプローチを統合するためには、包括利益と純利益の峻別だけでなく純資産と株主資本との峻別も必要であること、また、支配概念を基礎とする貸借対照表と持分概念を基礎とする損益計算書との連携が必要であることを明らかにした。
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