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2011 年度 実施状況報告書

PFI事業における意思決定要素の体系化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23530573
研究機関新潟大学

研究代表者

山口 直也  新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (50303110)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードPFI / PPP / 意思決定
研究概要

本年度は、まず、PFI事業及びPFI類似事業について、政府関係機関や地方公共団体の発注業務を支援しているコンサルティング会社への聞き取り調査を行い、主に廃棄物処理事業における意思決定問題について考察を進めてきた。次に、過去の失敗・破綻事例として、英国ロンドン地下鉄PPP事業の破綻事例を取り上げ、破綻原因の構造化を試み、様々な破綻原因を引き起こす中核要因を抽出することで、本事業における意思決定上の問題点について分析を行ってきた。その結果、本事業が破綻に至った中核要因として、(1)資産の現状把握の不備に起因する契約の不完備性、(2)債務保証に起因する債権者によるモニタリングの機能不全、(3)独立した強力なガバナンスの不在、という3つの要因を抽出することができた。そして、これら中核要因はそれぞれ独立したものではなく相互に関係性を有しており、最大の中核要因は(1)であり、(1)が(2)や(3)を引き起こす一因となっていることを明らかにした。なお、本分析については既に論文として執筆を完了しており、平成24年度中に公表する予定である。さらに、我が国ではじめて破綻に至ったPFI事業である、福岡市臨海工場余熱利用施設整備事業の破綻原因について、主に需要リスクと事業リスクの関係を中心に分析を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画通り、PFI破綻・失敗事例に関する文献・資料を収集し、1つ1つの事例ごとに破綻・失敗原因に関する分析を行っている。

今後の研究の推進方策

今後は、本年度から進めてきたPFI 破綻・失敗事例についての調査・分析を進めるとともに、PFI事業を実施している国内の自治体等及びこれを支援しているコンサルティング会社に対し、聞き取り調査を行っていく。聞き取り調査は、破綻・失敗事例に関する文献研究のフォローアップと、破綻・失敗事例に関わらず、PFI 事業の意思決定にあたって重視した要素や、意思決定の各段階に発生した問題点等を把握することを目的としている。

次年度の研究費の使用計画

次年度は聞き取り調査等、情報収集のための旅費を中心に使用していく。本年度は聞き取り調査の件数が少なかっため、若干の執行残が生じたが、次年度にはこれら執行残も含めて、使用する予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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