本研究は、損益計算書における会計利益を恒久利益の代理変数として企業の経済価値の推定を行う会計利益モデルと貸借対照表において、純資産簿価を企業の経済価値の近似値とする純資産簿価モデルとの比較・検討を通して両者のベスト・ミックスを考察したものである。その結果、投資意思決定機能を高めながら、同時に契約支援において大きな問題を発生させないことを目標として、①測定値の信頼性を規準として公正価値評価を制限しながら純資産簿価モデルに近づける「純資産簿価モデルとしての混合会計モデル」と、自己創設のれんの有無を規準として公正価値評価を制限する「会計利益モデルとしての混合会計モデル」の2つのモデルを提示した。
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