研究課題/領域番号 |
23530578
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
中田 範夫 山口大学, 経済学部, 教授 (90146142)
|
研究分担者 |
杉 和郎 独立行政法人国立病院機構山口宇部医療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 副医院長 (70241271)
花田 千鶴美 山口大学, 医学部附属病院, 看護部長 (00380014)
|
キーワード | 公立病院 / 公益性 / 収益性 / 業績評価 / BSC |
研究概要 |
(1)中田範夫・花田千鶴美稿「国立大学法人化に関するアンケート調査-ある病院のケース-」「東亜経済研究」第71巻第1号(2012年8月)。ここではある独立法人の看護師に対して、独立法人化以前、独立法人経過6年後、および独立行政法人経過後8年目(現在)という3時点におけるアンケートを実施した。このアンケートを、年齢によって20代と30代、40代及び50代以上の3グループに分けて分析した。独立法人化という変化に対しても3グループの反応は異なるという結果が出ている。 (2)中田範夫・花田千鶴美稿「マンパワー(新卒看護師)の増加・新人教育強化が看護サービスに及ぼす影響について-BSCによる4つの視点より-」「山口経済学雑誌、第60巻第1号(2013年3月)。ある病院における看護配置7対1取得に際して、新人看護士63名が増員された。看護サービスの質に関する評価は、看護師の経験年数の差や看護サービスの特性、看護業務の複雑性などから、1つの指標では明確な評価が難しい。そこで、新卒看護師のマンパワーの量としての増加及びその成長が看護サービスの品質にどのように影響したのかをバランスト・スコア・カードによって評価することを試みた。このことによって、看護サービスの抱える問題の一端を明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書に記入したもののうち実行できたのは次の事項である。1つ目は、国立大学附属病院の看護師を対象とした意識調査を実施し、それを論文にしたことである。2つ目は、次の授業においてアンケート調査を実施したことである。すなわち、「日本の医療」および「意思決定と業績評価」である。3つ目は、小生が委員長を務める地方独立法人山口県立病院機構における委員会及び現場視察による情報収集である。 対照的に実行できなかったことは、地方独立法人山口県立病院機構の職員に対するアンケート調査である。 これらを勘案すると、計画の達成度は80%である。
|
今後の研究の推進方策 |
研究のスタート時点では小生を含め3名であった。しかし、23年度中に杉氏が逝去され、また、平成25年3月末日に花田氏が退職され、25年度の研究は小生1名で行うことになった。おまけに、平成24年4月より学部長に選出され、相当に忙しくなった。しかし、本年は3年計画の最後の年なので、当初に設定した目標に向かって努力するつもりである。 本年の一番大きな仕事は、公立病院を含む急性期病院の調査(150床以上の全国の病院約1800カ所)を実施すること、および地方独立法人山口県立病院機構の職員に対するアンケート調査を実施することである。この2つの調査を実施することによって、公益性と収益性に関する一応の結論を出すことができると考えている。
|
次年度の研究費の使用計画 |
1800カ所の病院に対する郵送調査のために切手代金288,000円(1800カ所×2×80円)、郵送業務と資料整理のための学生用謝金200,000円、消耗品132,000円(ビデオカメラ50,000円、封筒代20,000円、タック紙40,000円、印刷用紙5,000円、ポータブルHD ドライブ17,000円)及びBSC研究学会出席などの情報収集のための旅費280,000などを計上している。
|