研究課題/領域番号 |
23530578
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
中田 範夫 山口大学, 経済学部, 教授 (90146142)
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研究分担者 |
杉 和郎 独立行政法人国立病院機構山口宇部医療センター(臨床研究部), その他部局等, その他 (70241271)
花田 千鶴美 山口大学, 医学部附属病院, その他 (00380014)
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キーワード | 公立病院 / 公益性 / 収益性 / 業績評価 / BSC |
研究概要 |
(1)中田範夫稿「病院の経営管理機能についての第6回調査ー電子カルテ、原価計算、BSC及び財務を中心として-」山口経済学雑誌、第62巻第5・6号(pp.1-34)。平成25年8月から9月にかけて全国の急性期病院(150床以上)1,795箇所に対して郵送によるアンケート調査を実施した。有効回収数は303カ所(16.9%)であった。平成23年度の費用収益率は全病院の平均で100を超過しているが、都道県立病院と市町立病院ではいずれも100%を下回っており、依然として経営効率が低いことが判明した。今回の調査では、上記と別に公益性と収益性についての調査も実施しているが、まだ報告書としてまとめていない。 (2)中田範夫稿「BSC採用に関する実態調査についてー平成16年から平成25年の調査より-」「医療バランスト・スコアカード研究」第11巻1号、掲載予定。これは、松山市で開催された(平成25年11月9日)日本医療バランスト・スコアカード研究学会において報告した演題を中心とした原稿に若干の手を加えて発表したものである。平成16年に第1回目の全国的な調査を実施し、平成25年には第6回目の調査を行った。これら6回の調査は、急性期病院における150床以上の病院を対象にしている。この間に、当初、低かったBSC採用率(300床以上の病院で6.3%、150床以上300床未満で5.1%)が平成25年には15.2%(全病院の平均)へと増加している。ただし、採用した病院について、その結果について質問したところ、「期待した成果が出ている」と回答しているのは32.6%と、必ずしも高くない。公立病院という観点からは、以上のデータは病院種類ごとに集計しているので、都道府県立病院と市町村立病院においてどうであったかを明らかにしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書に記入したもののうち実行できたのは次のことである。1つ目は、全国の150床以上の急性期病院1,795カ所に対して郵送によるアンケート調査を実施し(平成25年8月から9月に実施)、303カ所(16.9%)から回答を得た。それを基に報告書を作成した。なお、同時期に実施した公益性と収益性に関するアンケート調査については、現在、報告書を作成中である。2つ目は、大学の授業の中で、受講生に対して公益性と収益性に関するアンケート調査を実施したことである。この点についても、まだ報告書を作成していないが、3年間分のアンケート資料があるので、後日、報告書としてまとめる予定である。3つ目は、小生が委員長を務める「地方独立法人山口県立病院機構評価委員会」において現場のデータを集計できたことである。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年8月から9月にかけて全国の急性期病院に対してアンケート調査を実施した。これらの病院において、回答が遅延した病院があったこと、並びに、郵送調査の結果、訪問調査をする必要のある病院があるので、これらの業務を行いたい。この部分についてはすでに「補助事業期間延長承認申請書」が認められているので、この予算を利用して実施する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に実施した全国の急性期病院に対するアンケート調査の回収が遅れた病院があったため、年度内に資料を集計・整理できなかった。並びに、郵送調査の結果、訪問調査を必要としたため、それらの業務を今年度に実施するため。 データ集計、整理を行う研究協力者への謝金及び訪問調査のための旅費として使用する予定である。
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