本研究では「日本的管理会計」を広義のマネジメント・コントロールの枠組みから分析し、その構成内容を会計的コントロールと非会計的コントロールの組合せ(パッケージ)としてアプローチする。日本企業の管理会計について調査し、その実態の理解と変容のメカニズムについてあきらかにする。管理会計論研究は、従来、会計を中心とした公式な諸制度を中心に考察されてきた。近年の傾向として、マネジメント・コントロールを組織文化や経営理念などを含んだ多様なコントロール手段の集合体として考える立場が注目されている。日本企業における組織慣行というコンテクストのなかで、どのような管理会計を構築すべきかについての理論構築を目指す。
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