新監査実務指針第570号「継続企業」は、IAASBによるクラリティ・プロジェクトを受けて行われた短期間における大量の監査実務指針改正の中で設定・公表されたものである。 ここで継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるか否かについて「流動負債が流動資産を超過している状態」を判定基準とすることは、英米とは異なり我が国の制度においては未定着である点、ドイツ及び米国の監査基準と比して、経営者及び監査人の評価期間との関係において理論的整合性が十分に確保されていない問題がある。 そのため、当該判定基準に代えて支払能力の有無を検討する新たな判定基準を規定することが望ましいと考えられる。
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