研究課題/領域番号 |
23530598
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
今福 愛志 日本大学, 経済学部, 名誉教授 (80059740)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 受給権保護 / 年金債務 / 公務員年金制度 / 年金会計基準 |
研究概要 |
本年度の研究は、本研究テーマにおけるフレームワークを構築する上で必要な前提となる作業、ならびに基本的な概念の検討に中心がおかれた。 その意味で、とくにつぎの2つが重要であった。 一つは、研究論文「受給権保護と年金会計」で検討された、会計における受給権概念の意味とその位置に関してである。それは、私的な企業年金制度の会計を対象におこなわれたものではあるが、公的年金にとっても十分に意義のある問題である。 もう一つは、米国の公的年金、とくに公務員年金制度の会計基準公開草案をめぐる検討である。それはすでに本学部紀要『経済集志』に寄稿されている(本年5月刊予定)。ここで初めて公的年金制度に会計基準の統一化問題が焦点となった。これは平成24年度以降の本研究テーマの進展に少なからず影響すると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の達成度は(3)やや遅れているが、その主たる理由は「研究実績の概要」でふれたとおり、本年度は本研究テーマの前提となる作業に時間がさかれたがゆえである。 しかし、そこで言及されたように米国の公的年金をめぐる会計基準案を対象として本研究テーマのフレームワークの一端が構築されているので、進行の遅れに対する措置は図られていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度はつぎの2つの問題について展開する予定である。すでに「研究実績の概要」と「現在までの達成度」でふれたとおり、米国の公的年金、とくに公務員年金制度の会計基準案の検討、ならびにそれをもとにわが国の公務員年金制度の会計基準問題を明らかにする。 第2に、厚生年金制度等の公的年金制度の会計のあり方を債務概念を中心として、そのフレームワークの構築を当面の課題としたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度において計画された海外における本研究テーマにかかわる研究が、諸般の事情により平成24年度に繰り越されたので、この点に関する研究費として一定額が使用される予定である。 また、本研究テーマに関する文献、とくに海外文献を精力的にリサーチして、当該文献の購入についても計画している。 その他研究上必要なソフト等の購入について使用予定である。
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