研究課題/領域番号 |
23530604
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
松本 敏史 同志社大学, 商学部, 教授 (90140095)
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研究分担者 |
徳賀 芳弘 京都大学, 経営学研究科, 教授 (70163970)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際会計基準 / FASB / 銀行会計 / 金融商品 / 公正価値会計 |
研究概要 |
国際会計基準審議会と米国財務会計基準審議会が現在改訂作業中の金融商品会計基準は,資産と負債を公正価値で測定し,原則としてその変動差額を純利益に算入することを求めている。この種の公正価値会計の導入によって最も大きな影響を受けるのが我が国の銀行業界である。本研究では公正価値会計が全面的に導入された場合,外部の環境変化(株価水準の変動,公定歩合の変動等)が銀行経営に与える影響をBIS規制との関係でシミュレートしていくことを1つの目的としている。それによって銀行に公正価値会計を導入することの妥当性を検証することをこの研究の第一義的な目的としているからである。そのための作業として,23年度はIASBが公表している公正価値測定関連のIFRSの棚卸しを行い,その内容を分析した。その際,IASBの前身である国際会計基準委員会(以下,IASC)が公表した関連資料も検討の対象に含めることで,IASB(IASC)が提案している公正価値会計の変化の過程を浮き彫りにしながら,当該審議会の到達目標の解明を試みた。さらにFASBは2010年5月に公開草案『金融商品会計とデリバティブ及びヘッジ活動の会計に関する改訂』を公表した。このEDが予定している各種の測定技法の整理・分析を行っている。次に,銀行会計への公正価値会計の導入を研究対象とする場合,重要なテーマとなるのが,BIS規制を通じた公正価値測定のミクロ経済(個々の銀行経営),マクロ経済に与える影響である。その予備的研究として研究会を開催し,BIS規制(バーゼルIII)の概要と,公正価値測定が実体経済の景気循環を増幅する効果(いわゆるプロシクリカリティ)に関する知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の目標としていた公正価値会計の進展度合いと,今後の方向性(IASB&FASBが意図する到達目標)については一定の整理ができた。この点は大きな成果であると評価しているが,銀行会計の構造を明らかにするための前提条件である銀行業務そのものの分析については不十分の感を否めないからである。
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今後の研究の推進方策 |
銀行業務に関する知識を蓄積しつつ,個々の銀行取引の標準的な会計処理方法を確認していく。わが国の銀行は政策株式や国債の総資産に占める割合が高く,コア預金が総資本に占める割合も高いと言われている。このような特殊性とBIS規制がどのようにリンクしているのか,この点を分析することで,各種のマクロ経済指標の変動が銀行行動に与える影響を分析できるようにしたいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
文献の購入,研究会の開催,専門家の招聘による知見の獲得
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