本研究の目的は、ハイアールと京セラの管理会計システムを比較研究することであった。ハイアールは、1990年代に急成長した中国の代表的な企業であり、京セラはアメーバ経営として各方面で注目されている日本の代表的な企業である。ハイアールの経営管理システムは成果主義経営であり、京セラの家族主義経営とは異なっている。しかし両社は、外部の市場を重視することや小集団による独立した採算計算制度をベースにした計数管理システムを採用しているところでは類似していた。とりわけ両社は、リーダーのカリスマ性と経営理念を重視していた。両社はこの点で共通であった。
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