研究課題/領域番号 |
23530611
|
研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
長坂 悦敬 甲南大学, 会計専門職専攻, 教授 (00268236)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2017-03-31
|
キーワード | 原価管理 / メゾスコピック・モデル / シミュレーション / コストマネジメント / ソリューション |
研究実績の概要 |
管理会計に関する理論や手法等を迅速に実証し、企業人・実務家と研究者が一体となってレベルアップできるプラットフォーム構築を目指した。すなわち、従来のような管理会計理論や手法の概説、簡単な数値例の紹介にとどまらず、また、理論や手法を提案した研究者自らが企業に入り直接的に実証研究を行うような労の多い方法でなく、理論・手法→メゾスコピック・モデル(中間モデル:mesoscopic model)→シミュレーション・モジュール→管理会計ソリューション・ライブラリーとして公開→企業、実務家による試行・実施→評価・コメントを収集・分析→理論・手法の修正・再構築というような方法を確立し、その方法論を展開できるプラットフォームの構築を進めた。これにより、実務家や企業、研究者同士で原価管理手法の理解が進み、新理論・手法の適用性の検証、理論・手法の修正、改善、追加項目が明らかになり、新理論・手法の創出と融合モデルへとつながる可能性が高くなる。 従来、社会科学分野では文献研究、理論研究、手法開発研究、ケース研究、実証的研究(経験的研究、実証研究)などが進められてきた。いわば、抽象化された理論構築や業界全体の動向を把握して仮説を検証すること(マクロスコピック)に重きがおかれ、また、特定の企業や特定のプロジェクトを対象としたケース研究(ミクロスコピック)によって補間されてきたと考えることができる。 本研究では、管理会計分野で、各種メゾスコピック・モデルを構築した上で、それらを実装したシミュレーション・モジュールを開発して、実務でも適用可能な管理会計ソリューションとして、インターネットを通じて広く開示、またはパッケージ・ソリューションとして企業から提供することを実現した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者が学長に選出されてしまい学務が多忙になった。また、2015年11月に研究室のデスクトップPCのハードディスクが突然クラッシュし、当該PCは使用不能になった。データの復旧、統計、新しいPCの購入、解析ソフトウェアの再インストールなどのセットアップに時間がかかり、研究が遅延してしまった。
|
今後の研究の推進方策 |
下記を中心に、原価管理シミュレーションモデル研究の仕上げを行う。 (1)フィードフォワード・コントロールに適合するグランド・コストモデル (2)ED-BPM(イベントドリブン・ビジネス・プロセス・マネジメント)モデル
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者が学長に選出されてしまい学務が多忙になった。また、2015年11月に研究室のデスクトップPCのハードディスクが突然クラッシュし、当該PCは使用不能になった。データの復旧、統計分析、新しいPCの購入、解析ソフトウェアの再インストールなどのセットアップに費用と時間がかかった。上記理由で、本来SOM分析から導かれる結果をもとにして更に現場データ分析を進めるべきところ、現場調査、分析に入ることができなかった。
|
次年度使用額の使用計画 |
研究期間を延長いただき、統計分析ソフトウェア、PC、データバックアップ装置の整備、調査出張などを進め、最終年度として研究を完成させる。
|