研究課題/領域番号 |
23530612
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研究機関 | 帝塚山大学 |
研究代表者 |
松木 智子 帝塚山大学, 経営学部, 教授 (10347180)
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研究分担者 |
三矢 裕 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (00296419)
窪田 祐一 南山大学, 大学院・ビジネス研究科, 教授 (40329595)
島 吉伸 近畿大学, 経営学部, 准教授 (20319239)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | インタンジブルズ / 中小企業 / KPI / 関係資産 / マネジメント・コントロール |
研究実績の概要 |
本研究は、企業の持つ無形の強みであるインタンジブルズの識別-測定-マネジメントの中でも特にマネジメントに焦点を当てた研究である。研究第1年目には、エーザイ、YKK、パナソニックなどの大企業におけるインタンジブルズに焦点を当てたが、第2年目以降は、大企業よりも規模や財力で劣る中小企業に目を向けて、インタンジブルズの構築マネジメントを調査した。その第4年目である今年は、東大阪市の中小企業1社に対するフォローアップ調査と、新たに別の東大阪市の中小企業1社に対して聞き取り調査を実施した。 まずフォローアップ調査を実施した中小企業の調査から明らかになったことは、「知的資産経営報告書」の作成をきっかけとして、若手を中心としたマネジメント・チームの結束が高まり、将来を見据えた中長期的な経営戦略の策定が促されていたことである。 また、今年度初めて調査を実施した別の東大阪市の中小企業の調査では、社長の強いリーダーシップのもとに、顧客および生産協力企業との間に強固なインタンジブルズが構築されており(「関係資産」)、毎年作成される「知的資産経営報告書」を通じて、インタンジブルズを重視し、成長しつづける企業を目指す社長のメッセージとして社員に伝えられていることがわかった。ただし2社ともに、インタンジブルズをマネジメントするためのKPIの扱いには苦労しており、KPIの整備と活用が今後の課題となっていた。 近年のビジネス環境を見ると、規模や財力といったタンジブルな力よりも、目に見えない会社の強みであるインタンジブルズが企業の価値を高める傾向が見られる。そうした中でインタンジブルズのマネジメントを行うことは企業の競争力を高める上でも不可欠な要件であり、インタンジブルズのマネジメントを理解し促進するという点において本研究の意義があると考える。
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