研究課題/領域番号 |
23530614
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研究機関 | 吉備国際大学 |
研究代表者 |
尾上 選哉 吉備国際大学, 国際環境経営学部, 准教授 (00341199)
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研究分担者 |
石川 恵子 実践女子大学, 人間社会学部, 准教授 (70343647)
藤井 誠 日本大学, 商学部, 准教授 (80409044)
古市 雄一朗 福山大学, 経済学部, 講師 (40551065)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 非営利組織 / ディスクロージャー / 会計理論 |
研究概要 |
本研究の目的は、社会的な存在価値を増大させている非営利組織のディスクロージャー拡充における会計情報作成の基盤となる会計理論について、非営利組織活動の環境制約に大きな影響を与えている課税問題と業績評価の問題を踏まえたうえで、体系的に整理・検討し、再構築することによって、わが国の非営利組織のディスクロージャー拡充を促進し、非営利組織会計の理論的精緻化に寄与することにある。 そこで、初年度となる平成23年度においては、主に文献研究を行う予定であった。具体的には、(1)非営利組織のディスクロージャーの制度および理論について、(2)非営利組織の財務会計について、(3)業績監査(業績評価)について、(4)非営利組織の課税にかかる問題点について、先行研究のサーベイを行い、「制度」体系を整理し、制度における現状と課題を明らかにことであった。4名の共同研究者が各分野を担当し、個別に研究を行った。そして3回の研究会を行い、進捗状況を確認するとともに、各担当分野の研究報告を行った。 (1)については、特に国立大学法人を取り上げ、財務報告に係る制度およびその情報がどのように用いられているかについての研究を行った(担当:古市氏)。(2)については、特に一般社団法人における基金の貸借対照表上の取り扱いを取り上げ、非営利組織の作成する貸借対照表の貸方概念についての研究を行った(担当:尾上)。(3)については、非営利組織の業績評価が進展していると言われる英国におけるチャリティを取り上げ、研究を進めている(担当:石川)。(4)については、非営利組織に係る法人所得課税の理論について、その論拠についての検討を行った(担当:藤井)。 なお、平成23年度においては、4回の研究会および研究打ち合わせを行った(7月、9月、11月、2月)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度(初年度)においては、主に文献研究を行う予定であった。各研究分担者も含め、概ね、当初予定したとおりに各担当分野において、ディスクロージャーにかかる制度体系の整理を行い、制度における現状と課題を明らかになってきている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画(交付申請書)通り、2年目には、主に文献研究および実証研究のための準備を行う予定である。初年度の研究において明らかとなった現状と課題に基づいて、その解決に向けて、関連・隣接領域の研究を含めた複眼的視点から理論的な検討を行い、実証研究の仮定を導出する。また実証研究のデータ収集のために、アンケート調査の作成および発送準備に着手する。
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次年度の研究費の使用計画 |
助成金の主な支出は、文献購入および研究会開催およびヒアリング等のための出張旅費等に加え、実証研究のデータ分析のためのソフトなどとなる予定である。 なお、次年度に使用する予定の助成金が10,395円ある。これはH23年度内の文献の入手が困難であったために生じたものであり、次年度における文献購入のために使用する予定である。
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