研究課題/領域番号 |
23530622
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
江原 由美子 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (20128565)
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研究分担者 |
左古 輝人 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (90453034)
鶴田 幸恵 奈良女子大学, 人間文化研究科, 助教 (00457128)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ジェンダー / テクストマイニング / トランスジェンダー / バックラッシュ |
研究概要 |
まずは、年度の始めに研究会を持ち、ジェンダーをめぐる専門的概念の選定作業をおこなった。その結果、まさに「ジェンダー」という概念それ自体に照準したうえで、その他の専門的概念については、「ジェンダー」概念との関連においてどのように用いられているかを分析する、という研究方針を定めた。そして、各自以下のような研究に着手した。 左古研究分担者は、国立国会図書館の雑誌記事索引において、検索語「ジェンダー」で該当する論文を網羅的に収集し、「ジェンダー」概念のフレーム(関連概念との共起関係)がどのように変遷したのかを、量的に分析する作業に着手した。 鶴田研究分担者は、性同一性障害医療に関する医療系論文(医療系雑誌・書籍に掲載された医療・性科学・精神分析に関する論文)を収集し、「ジェンダー」概念の導入が医療現場にどのような効果を及ぼしたのかを、質的に分析する作業に着手した。 林原連携研究者は、バックラッシュに関する先行研究を整理したうえで、バックラッシュの主張を掲げる雑誌記事を収集し、「ジェンダー」概念の否定がバックラッシュ派にとってどのような意味を持っていたのかを、質的に分析する作業に着手した。 江原研究代表者は、(1)「ジェンダー」概念の導入や否定をめぐるかけひき(鶴田・林原両研究者が解明)を、(2)「ジェンダー」概念の変遷という文化的背景(左古研究者が解明)に位置づけるとともに、(3)サイエンス・ウォーズなど学問の科学性をめぐる争いという、より広い社会的文脈に位置づける作業に着手した。 研究計画の初年度ということもあり、各研究者が着手した分析は予備的・試行的なものであるが、今後順調に研究が進展すれば、科学コミュニケーションのあり方を再考するうえで意義ある知見が得られるものと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画では、本研究の対象と方法を調整するための準備作業にあてる期間として初年度を位置づけ、ジェンダーをめぐる専門的概念の選定作業にいますこし時間をかける予定であったが、実際にはここには時間をかけずに研究方針を定め、次年度の研究計画を前倒しして実施することになった。ここは、当初の計画以上に進展している点である。 その一方で、量的分析と質的分析の統合については、各自の研究結果が出揃ってから検討することにしたため、次年度以降に持ち越しとなった。ここは、やや遅れている点である。 以上より、研究計画を全体として評価した場合、順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
本年度着手した分析に各自取り組み、その結果を共同で検討しつつ、年度末までに一定の結論を得ることを目指す。 また、量的分析と質的分析の統合を図るため、テクストマイニングによる分析を、一般誌に掲載された雑誌記事にも拡張する(「研究が当初計画どおりに進まなかった場合の対応」を参照)。
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次年度の研究費の使用計画 |
【当該研究費が生じた状況】 定例研究会の回数および日数を調整し、旅費を節約したため。 また、鶴田研究分担者については、当初の研究計画を変更して文献調査から着手したことにより、インタビュー調査に係る費用(音声資料の収集・分析にあたって必要な各種物品の費用、調査旅費、および、テープ起こし等にかかる謝金)が、本年度中には生じなかったため。【使用計画】 翌年度以降に請求する研究費と合わせて、設備備品費(データ管理用PC、セキュリティ機能付HDD、ICレコーダーなど)、国内旅費(定例研究会)、および、謝金(トランスクリプトの作成などに関わる研究補助)に使用する。
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