本研究では、行為者の視点を含めた社会的ジレンマの了解の問題を出発点にし、現実の環境問題に直面した場合、どの程度の人が問題状況を社会的ジレンマのままで捉えて非協力行動をとるのか、協力行動をとる人にはどのような特徴があるのかという課題を設定し、社会的ジレンマの測定を可能とする調査項目を検討した。研究の結果、(1)人びとは仮説的に環境問題を社会的ジレンマとして認識する、(2)しかし、現実の問題になると、社会的ジレンマ状況として問題をとらえず、多くの人びとは相互協力を望み、(3)相互協力を望む人は、他者からもたらされる「環境にかかわる情報」を信頼する傾向があることがわかった。
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