本年は、予定していて訪問できなかった自治体、ならびにこれまで訪問したが資料収集が十分ではない自治体を訪問すると同時に、本研究のベースとなる鳥取県での資料・文献・新聞等の閲覧・複写をおこない、整理できた資料・データ等にもとづき可能な限り分析を進めた。 まず、当初予定に組み込んでいたものの、これまで訪問していなかった宮城県の自治体については5月と10月の2度訪問し、ほぼ予定通り資料・文献等を閲覧・収集することができた。また、7月には新潟県の自治体について補充調査を行うことができ、ここもほぼ完了した。8月には、共同研究者のテーマではあるが「女性と地域政治」に関する包括的な資料・文献を所蔵していると思われる国立女性教育会館を訪問し、それらを閲覧・収集することができた。また、鳥取県については4月、5月、3月にそれぞれ訪問し、県政全体にわたる新聞・資料・文献などを閲覧収集することができた。 この3年間で収集した資料・文献複写などは膨大な量にのぼり、その分析のためには紙媒体で所蔵・閲覧することが難しいため、これまで収集したものについては専門業者の手を借りてデジタル化を進めた。ただ、このデジタル化に少し時間がかかったため、最後に予定していた分析が十分できず、その成果の取りまとめに時間がかかっていることは残念であるが、ここでテーマとしていた昭和の大合併から平成の大合併にいたる期間の地域社会と地域政治に関する全国各地の実情について直接知ることができた(とりわけ選挙データの保存に関しては自治体ごとに大きなばらつきがあることを知った)点は、大きな収穫だった言える。今後、もう少し時間をかけてこれらの資料・文献を精査・分析し、なんらかの形のものにまとめたいと考えている。
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